最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1613 話の方向転換は出来たが……あれ?ダメじゃね、これ

公開日時: 2025年7月5日(土) 00:21
文字数:2,256

●前回のおさらい●


 倉津君がクリスマスを忘れた事を誤魔化す為に発した言葉が。

『例の件』を言ってるのものだと勘違いしてしまい、眞子が凹んでしまった。


そんな風に空気が悪く成ってしまったので……

「ってかよぉ眞子。んな事より、今日はX`mas-eveじゃん。崇秀との予定は、どうなってんだ?」

「えっ?」

「いや、だからな。オマエと崇秀って、今日どこかに出掛けるのか?って聞いてんだよ」


彼氏の居る奴なら、この話には、必ず喰い付かずにはいられない筈だ。


特に今年のX`mas-eveは、2人とって初のX`mas-eve。

絶対、その内容を、誰かに伝えたくて仕方ない筈だからな。


話を逸らさせる為には、この話が一番有効な筈だ。


それに付け加えて、ヒナの件があるから、眞子の心境もキッチリ把握して置きたいしな。



「あぁいや。特に、これと言った予定はないよ。崇秀さん、仕事で忙しいから。多分、仕事が終わってから、崇秀さんの家で、簡単なX`masパーティをするぐらいじゃないかなぁ」


あぁ……そぉ。


一応、今日の予定を眞子が話してくれたから。

思惑通り、余計な話からは話が逸れてくれたし、眞子の現状も把握出来たんだけどなぁ。

なんか『家族だけのファミリーパーティ』とは、あのアホンダラァにしては、やけにショボイ結果に成っちまってるな。


もっと誰彼構わず、眞子が自慢したくなる様なド派手なX`mas-eveを演出してくるのかと思ってた。


豪く期待外れな感じだな。



「なんだそりゃあ?豪くショボイじゃねぇかよ」

「うぅん。全然ショボくないよ」

「なんでだよ?」

「なんで?って。崇秀さんの仕事が終わるのを待って。家族のX`masパーティに参加させて貰えるって事は……なんて言うか、その……『私を家族だ』って、ちょっとだけ認めて貰えてる訳じゃない。だったらさぁ、外でお祝いするより、私は、そっちの方がズッと嬉しいな」


なるほどなぁ。


まっ、まぁ、捉え方に拠っちゃあ、そう言う正しい捉え方もあるわな。


しかしまぁ眞子って、もっと派手に特別扱いをされる方が喜ぶのかと思ってたんだが、そうでもないんだな。


意外と家庭的な方向なんだな。



「そっか」

「うん。それにね。パーティが終わった後も、家でなら、そのまま一緒に居れるし。……崇秀さんを1人で独占出来ちゃうし……ね。ははっ、なんてね。何言ってるんだろうね、私。恥ずかしい(///)」


がぁ……裏心を明かせば、やっぱり、そうなるわな。

彼女なら、絶対に、今日は、誰にも邪魔されず彼氏を独占はしたいわな。


だとしたら、ヤッパリ、ヒナの件は難しいよなぁ。

例えそれが、別次元の眞子にとっては直接関係ない話で在っても、X`mas-eveに、他の女の所に行く事には違いない訳だしなぁ。

ましてや、こんなに嬉しそうに話をしてるのに、コイツの幸せを踏み躙る権利なんて、誰にもないしな。


そう考えると、ヒナには悪いが、此処は、諦めて貰うのが順当なラインなのかも知れねぇよな。


誰がなんと言おうと『崇秀の占有権』は、彼女の眞子に有るんだからな。



「そっ、そうだな」

「ってかさぁ。真琴ちゃんの方は、どうなの?何か、奈緒ネェの為にサプライズ的なものは考えてるの?」

「いや。コッチも、特に、これと言っては考えてねぇけど。2人で食事して、後は、奈緒さんとさえ一緒に居られれば、それだけで俺は十分に満足だしな。奈緒さんさえ居れば、なんでも良いんだよ」

「なぁ~~~んだ。じゃあ、真琴ちゃんも、私と一緒だね。お互い、好きな人とさえ一緒に居られれば、それ以上は望まないなんて。……ホント私達って、姉弟揃って、なんて安いんだろうね」


うじゅうぅ~~~。

そう言われると、密かに崇秀を、ヒナの所に送ろうとしてた俺としては、非常に心苦しいな。


でも、ヤッパ、それだけが眞子の唯一の望みなら、此処だけは、絶対に奪ってやっちゃイケネェもんな。


それに、今の眞子の言葉でハッキリとしたんだが。

俺も……X`mas-eveに、奈緒さんが他の男に会ってるなんて絶対に嫌だもんな。


俺、なにを平然と眞子に残酷な事をしようとしてたんだ。


……なんてこったい。



「そっ、そうだな」

「あぁでも、あれだよね。崇秀さんも、奈緒ネェも、なにも言わなくても、色々なサプライズを用意してくれるから、こんな事が言えちゃうのかもね。……だったら逆に、この方が贅沢なのかも」


がぁ……確かに……そうだな。

奈緒さんも、崇秀も、いつも、いつでも色々考えて、俺達姉弟に、沢山のサプライズを与えてくれてるもんな。

しかも、あの世間を騒がせてる2人を、俺達姉弟で独占してる訳だもんな。


考えてみりゃあ、これ以上の贅沢な話しなんざねぇわな。


けど……それってよぉ。

オマエは女の身だから、それは、それで良いのかも知れないけどよぉ。


俺……男なんだけど。


それって、大丈夫なんか?


ダメじゃね?



「そっ、そうだな……ははっ」


当然、答えは……ダメに決まってるじゃん!!


もぉ、顔面が引き攣るしかねぇわ!!



「でも、今回は真琴ちゃんも、バッチリとサプライズを持ってるもんね。奈緒ネェとの約束。……勿論、憶えてるよね」


おっ、おぅ!!

俺が幾らダメ男だからと言っても、その約束だけは、ちゃんと憶えてるぞ!!


なんせ、あの約束が決まった瞬間にはメモに取った位だからな。


つぅか、そんな重要な事を忘れる訳ねぇだろ。

(↑それ以前に、クリスマスを忘れてた男の言葉(笑))



「まっ、まぁな。……つぅか一応よぉ。それをする為に、ワザワザアメリカにまで出向いて行く訳なんだからよ。そこを忘れてる訳ないじゃんかよ」

「だよね。……あぁっと、イケナイ、イケナイ。こんな事を、呑気に喋ってる場合じゃなかったんだ」


そう言って眞子は、座っていた椅子を後ろに倒す勢いで、慌てて立ち上がったんだが。


なっ、なんだ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


悪い流れを切る事にも成功し。

眞子の現状も確認出来。

ヒナちゃんの件を、どうするかも、ある程度の目途は付いたものの。


何故か、それらを話し終わった後、眞子が少々焦り気味なセリフを吐きましたね。


なにかあるんですか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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