●前回のおさらい●
倉津君がクリスマスを忘れた事を誤魔化す為に発した言葉が。
『例の件』を言ってるのものだと勘違いしてしまい、眞子が凹んでしまった。
そんな風に空気が悪く成ってしまったので……
「ってかよぉ眞子。んな事より、今日はX`mas-eveじゃん。崇秀との予定は、どうなってんだ?」
「えっ?」
「いや、だからな。オマエと崇秀って、今日どこかに出掛けるのか?って聞いてんだよ」
彼氏の居る奴なら、この話には、必ず喰い付かずにはいられない筈だ。
特に今年のX`mas-eveは、2人とって初のX`mas-eve。
絶対、その内容を、誰かに伝えたくて仕方ない筈だからな。
話を逸らさせる為には、この話が一番有効な筈だ。
それに付け加えて、ヒナの件があるから、眞子の心境もキッチリ把握して置きたいしな。
「あぁいや。特に、これと言った予定はないよ。崇秀さん、仕事で忙しいから。多分、仕事が終わってから、崇秀さんの家で、簡単なX`masパーティをするぐらいじゃないかなぁ」
あぁ……そぉ。
一応、今日の予定を眞子が話してくれたから。
思惑通り、余計な話からは話が逸れてくれたし、眞子の現状も把握出来たんだけどなぁ。
なんか『家族だけのファミリーパーティ』とは、あのアホンダラァにしては、やけにショボイ結果に成っちまってるな。
もっと誰彼構わず、眞子が自慢したくなる様なド派手なX`mas-eveを演出してくるのかと思ってた。
豪く期待外れな感じだな。
「なんだそりゃあ?豪くショボイじゃねぇかよ」
「うぅん。全然ショボくないよ」
「なんでだよ?」
「なんで?って。崇秀さんの仕事が終わるのを待って。家族のX`masパーティに参加させて貰えるって事は……なんて言うか、その……『私を家族だ』って、ちょっとだけ認めて貰えてる訳じゃない。だったらさぁ、外でお祝いするより、私は、そっちの方がズッと嬉しいな」
なるほどなぁ。
まっ、まぁ、捉え方に拠っちゃあ、そう言う正しい捉え方もあるわな。
しかしまぁ眞子って、もっと派手に特別扱いをされる方が喜ぶのかと思ってたんだが、そうでもないんだな。
意外と家庭的な方向なんだな。
「そっか」
「うん。それにね。パーティが終わった後も、家でなら、そのまま一緒に居れるし。……崇秀さんを1人で独占出来ちゃうし……ね。ははっ、なんてね。何言ってるんだろうね、私。恥ずかしい(///)」
がぁ……裏心を明かせば、やっぱり、そうなるわな。
彼女なら、絶対に、今日は、誰にも邪魔されず彼氏を独占はしたいわな。
だとしたら、ヤッパリ、ヒナの件は難しいよなぁ。
例えそれが、別次元の眞子にとっては直接関係ない話で在っても、X`mas-eveに、他の女の所に行く事には違いない訳だしなぁ。
ましてや、こんなに嬉しそうに話をしてるのに、コイツの幸せを踏み躙る権利なんて、誰にもないしな。
そう考えると、ヒナには悪いが、此処は、諦めて貰うのが順当なラインなのかも知れねぇよな。
誰がなんと言おうと『崇秀の占有権』は、彼女の眞子に有るんだからな。
「そっ、そうだな」
「ってかさぁ。真琴ちゃんの方は、どうなの?何か、奈緒ネェの為にサプライズ的なものは考えてるの?」
「いや。コッチも、特に、これと言っては考えてねぇけど。2人で食事して、後は、奈緒さんとさえ一緒に居られれば、それだけで俺は十分に満足だしな。奈緒さんさえ居れば、なんでも良いんだよ」
「なぁ~~~んだ。じゃあ、真琴ちゃんも、私と一緒だね。お互い、好きな人とさえ一緒に居られれば、それ以上は望まないなんて。……ホント私達って、姉弟揃って、なんて安いんだろうね」
うじゅうぅ~~~。
そう言われると、密かに崇秀を、ヒナの所に送ろうとしてた俺としては、非常に心苦しいな。
でも、ヤッパ、それだけが眞子の唯一の望みなら、此処だけは、絶対に奪ってやっちゃイケネェもんな。
それに、今の眞子の言葉でハッキリとしたんだが。
俺も……X`mas-eveに、奈緒さんが他の男に会ってるなんて絶対に嫌だもんな。
俺、なにを平然と眞子に残酷な事をしようとしてたんだ。
……なんてこったい。
「そっ、そうだな」
「あぁでも、あれだよね。崇秀さんも、奈緒ネェも、なにも言わなくても、色々なサプライズを用意してくれるから、こんな事が言えちゃうのかもね。……だったら逆に、この方が贅沢なのかも」
がぁ……確かに……そうだな。
奈緒さんも、崇秀も、いつも、いつでも色々考えて、俺達姉弟に、沢山のサプライズを与えてくれてるもんな。
しかも、あの世間を騒がせてる2人を、俺達姉弟で独占してる訳だもんな。
考えてみりゃあ、これ以上の贅沢な話しなんざねぇわな。
けど……それってよぉ。
オマエは女の身だから、それは、それで良いのかも知れないけどよぉ。
俺……男なんだけど。
それって、大丈夫なんか?
ダメじゃね?
「そっ、そうだな……ははっ」
当然、答えは……ダメに決まってるじゃん!!
もぉ、顔面が引き攣るしかねぇわ!!
「でも、今回は真琴ちゃんも、バッチリとサプライズを持ってるもんね。奈緒ネェとの約束。……勿論、憶えてるよね」
おっ、おぅ!!
俺が幾らダメ男だからと言っても、その約束だけは、ちゃんと憶えてるぞ!!
なんせ、あの約束が決まった瞬間にはメモに取った位だからな。
つぅか、そんな重要な事を忘れる訳ねぇだろ。
(↑それ以前に、クリスマスを忘れてた男の言葉(笑))
「まっ、まぁな。……つぅか一応よぉ。それをする為に、ワザワザアメリカにまで出向いて行く訳なんだからよ。そこを忘れてる訳ないじゃんかよ」
「だよね。……あぁっと、イケナイ、イケナイ。こんな事を、呑気に喋ってる場合じゃなかったんだ」
そう言って眞子は、座っていた椅子を後ろに倒す勢いで、慌てて立ち上がったんだが。
なっ、なんだ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
悪い流れを切る事にも成功し。
眞子の現状も確認出来。
ヒナちゃんの件を、どうするかも、ある程度の目途は付いたものの。
何故か、それらを話し終わった後、眞子が少々焦り気味なセリフを吐きましたね。
なにかあるんですか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!