●前回のおさらい●
対戦後、話を上手く持って行ってくれた倉津君達へのお礼として。
色んなフェスやホコ天に、積極的に参加してくれる事を提案してくれた嶋田さん。
そんな大満足な結果を得てから、ライブハウスを後にしたのだが……
……ってな訳で。
何故、あの程度の事で、嶋田さんから、こう言う提案が齎されたのかは解らないままだが。
兎に角、GUILDにとっては有用な事だけは間違いないので、取り敢えず、これはこれで良しとする。
さてさて、そんな訳で、嶋田さんとの話も着いたので、ヒナを連れて、只今絶賛、帰宅への道を車で走行中なんだが。
さっき俺が意地の悪い事を言ってからと言うもの、ヒナが、殆ど口を開いてこねぇんだよなぁ。
どうかしたんだろうか?
「おい、ヒナ。さっきからズッと黙ってるけどよぉ。なんかあったのか?」
「あぁ、いやね。さっき真琴が、嶋田さんとの話をしてた時ね。なんか私って、GUILDに必要なのかなぁって思っちゃってさぁ。……それと同時にね。真琴が、GUILDを運営した方が良いんじゃないかなって思っちゃったのよ」
( ゚Д゚)ハァ?
オイオイ、急に、なにを言い出すかと思えば。
「オイオイ、あんま馬鹿な事を真顔で言うなよな。俺なんぞに、そんな大それた真似が出来る訳ねぇだろ。どんな原理で、そんな事を思ったんだよ?」
「あぁうん。実は私ね。人と接するのが、あんまり得意じゃないのよね。だから、なんて言うか、人と上手く意思疎通が出来無いのよ。……さっきも、話の中に入って行けなかったし」
あらら、意外にもヒナは、人間関係が得意じゃないらしい。
まぁ、でも此処に関しては、以前にモジャが言ってた様に。
仲居間一族の人間は『煽り行為は得意分野』だが『人間関係の構築は、余り得意ではない』とか発言してたからなぁ。
この辺は、そう言う血族たる所以なのかもしれんな。
それに、今のヒナじゃ。
例え煽り行為をやっても、ただの御山の大将にしか見えないもんな。
此処も、崇秀との圧倒的な力の差が出ちまってる感じか。
「あぁ、そう言う事な。だったら、出来なきゃ、出来無いで良いじゃんかよ」
「えっ?でも、それじゃあ……」
「あのなぁヒナ。そこは分担作業で良いんだよ。俺が一緒にやってられる間は、俺がオマエの窓口に成って手伝ってやるからよ。その間に、ゆっくり慣れれば良いじゃん。出来無い事を、直ぐにやろうとしても、失敗するだけだぞ」
まるで俺みたいにな。
それでも俺は、まだ懲りずに生きている。
ある意味『無敵の人』だからな!!
「そうかも知れないけど。真琴がいつまでも、こうしてられる訳でもないじゃない。だったら、早急に対処していかないと不味いんじゃない」
「そうかぁ?モノは考え様じゃねぇか」
「どういう事なの?」
「いやな。今現在は、それが出来なくても、俺がフォローをしてやれる訳だろ。だったら、その間に、オマエが自力を付けりゃ良いんだよ。人を唸らせる様な実力や知名度があれば、人間関係構築出来なくても、主従関係として、人は付いて来るからよ」
沙那ちゃんに言ってた事とは、真逆の事を言ってるんだが、コレは、ヒナと、沙那ちゃんの人間的な差。
基本的な部分が出来てるヒナなら、余計な事を考えずに、突き進めば良いだけだからな。
猪突猛進も悪くないって話だ。
「……でも、それってさぁ。人としてどうなの?私に『暴君』か、なにかに成れって言うの?」
「あぁ、その通りだ。仲居間家の人間は、基本暴君であるべきだ。じゃなきゃ、GUILDの存在意義すらなくなるぞ」
「どうして?」
「そりゃあオマエ。暴君じゃなきゃ成功しねぇからだよ。成功しなきゃ、ただの仲良し子良しな学校のクラブ活動。……そんなもんに成り下がりたくなきゃ。嫌われてでも、まずは圧倒的な力を持たなきゃいけねぇだろ。その為の暴君なんだからよ」
「それって……」
「そう。即座に資金や、実力。それに世間の誰からも認められる認知度を、効率良く持つ為には、オマエは強くなきゃいけない。目標を掲げてる以上、、暴君と言われようと、形振りなんて構ってる暇なんかないってこったな」
女の子であるヒナには、ちょっと厳しい意見だとは思うんだがな。
どうしてもヒナには、崇秀の陰を見え隠れしちまうから、自然と厳しい事を言っちゃうんだよなぁ。
非常に悪いとは思うんだが、早急にヒナのパワーアップを計るには、こう言わざるを得ないしなぁ。
口下手で、なんかすまんな。
「ねぇ、真琴。……だとしてもだよ。私に、そんな事が出来るの?」
「オマエにしか出来ねぇよ。誰にでも出来るんなら、俺も、オマエに強要しようとは思わねぇからな」
「そこまで期待してくれてるんだ」
「あぁ、期待してる。それに、オマエなら必ず出来るよ。崇秀云々は抜いても、ヒナには、その可能性の片鱗が見え始めてるからな」
いい加減な事を言ってるのかも知れないがな。
現にヒナは、このたった2週間で、急激な成長を遂げている。
このポテンシャルの高さを見せ付けられたら、否を無しに期待しちまうんだよな。
だからこそ、崇秀とは比較しなかったって話だ。
人は、比較される事を嫌うからな。
「……ホント?私、あれでも、精一杯気を張ってライブをしてたんだけど。それでも期待してくれる?」
「当たり前だつぅの。精一杯やってるからこそ期待出来んだよ。大体、オマエに嘘を言う理由が見つからんわ」
「そっ、そうなんだ。……別にアンタに、そんな事を言われても嬉しくはないけど。期待されて、悪い気はしないかなぁ。……別にドッチでも良いけど」
出た!!
此処に来て、まさかのツンデレとはな。
ホント、オマエは愛い奴じゃのぉ。
「まぁまぁ、オマエは見た目も、成長度合いも抜群に高性能なんだから、自信を持ってやってみろって。今の所、オマエに一番足りないのは『自信』なんだからよ」
「じゃあ、ちゃんと、後ろから支えててくれる?私が倒れない様に支えててくれる」
「おぅ。オマエのデッカイ尻を、ガッシリと後ろから持って支えててやるよ」
「うぐっ……あのねぇアンタ。なんで急に、そう言う事を言う訳?普通、そこは背中を支えてやるで良いんじゃないの?なんで、イチイチお尻持たれなきゃいけないのよ」
なんで?ってか。
そんなもん、真面目モードが長くなり過ぎて、頭がダルく成って来たからに決まってるじゃん。
俺は、長時間連続で頭を使うと知恵熱が出て、蒸気機関車トーマスみたいに煙が出るの。
……って言うかな。
今日は、ややこしい事が多過ぎたから、ちょっとぐらい気分転換にオチャラケたい訳ですよ。
心中察してくれ。
「そりゃあオマエ。程良くデカくて、一番持ち易そうだからに決まってるだろ。……ボリュームタップリで、柔軟性もありそうだし」
「失礼な!!そんなにボリュームなんてないんだから!!……まぁ、そりゃあ、それ也には、柔らかいのかも知れないけどね」
「じゃあ、オマエの家に着いたら、試しに一回持たせてくれ。そうすりゃハッキリするしよ」
「うん。アンタさぁ。水溜りで顔を洗って、悔い改めてから、生まれ変わって、出直して来たら」
「酷ぇ」
ある意味、現状でも異世界転生みたいな事をしてるって言うのに。
またそこから更に転生しないと、俺は、ヒナの尻にも触らせても貰えない様な哀れな立場なんだな。
悲しい存在だな俺って。
……憶えとけよ。
直接は触らねぇけど、後で、タップリねっとり視姦したるからな。
(↑発想が、どこまでもクズな俺)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
どれだけ良い事を話してても、最後には崩れる倉津君。
矢張り、生粋のお笑い三等兵ですな(笑)
まぁそれでも、ヒナちゃんの悩みを解決しましたし。
本人としては気遣ってオチャラケてる部分もあるんでしょうから、この辺は許してあげて下さい。
さてさて、そんな中。
次回でこのコズミックホラー編も終了を迎えますので。
最後には盛大なオチを付けたいと思います。
良かったら、そんな酷いオチにお付き合いくださいませませ(笑)
(↑前以て酷いオチ宣言(笑))
(*'ω'*)b
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