●前回のおさらい●
挑戦状を叩きつけて来た正体は、向こうの世界で言う処の『無名のメンバー』だった。
なので、激戦に成るかと思い。
相手方の行動を伺っていたら、何故か全然実力が伴っていない上に……マイクパフォ―マンスを山中君に任せてる始末で。
「やぁやぁ!!レディース&ジェントルメ~~ン!!みんな、ライブを楽しんどるかぁ!!」
いや……そんなに楽しくはねぇな。
寧ろ、どちらかと言えば、非常に不愉快な思いをさせられてる状態が続いてるんだが。
つぅか。
マジでマイクパフォーマンスを、奈緒さんや素直にやらせず、山中にやらせてるんだな。
バンドの窓口は、女で固めるのが女衒の基本ってもんなんだがな。
特に、このバンドは女性ボーカルなだけに。
比較的、男性客が多いから、女性メンバーに任せた方が良いと思うんだがなぁ。
「「「「「わあああぁぁあぁ~~~~~~!!楽しんでるぞぉ~~~~~~!!」」」」」
「「「「「いつも最高ぉ~!!アンタ等の音楽は世界でも通じるぜぇ~~~!!」」」」」
「「「「「早くメジャーデビューをしてくれよぉ~~~!!応援するぜぇ~!!」」」」」
はっ?はい?なにが?
そんな風にマイクパフォ―マンスの事を考えてたら。
なんか知れねぇんだが、会場内がめっちゃ盛り上がってるんだが……なんだこれ?
つぅか、なにをコイツ等は、そんなに楽しんでる訳?
なんで、こんな程度の音楽で、そんなにワ~~キャア~~盛り上がれるんだ?
全く持って意味が解らんぞ?
・・・・・・
オイオイオイオイ……ちょっと待て、ちょっと待て!!
まさかとは思うが、コッチの世界では、この程度のレベルの演奏でも十分通じるって感じなのか?
こんな演奏であっても、手抜きライブですらないって言うのか?
嶋田さん以外は、全くと言って良い程ダメダメな音楽だとしか思えないんだがな。
マジでか?
「さよか、さよか。そないにまで言うんやったら、ほな、俺等がGUILDからのメジャーデビュー第一号に成ったるわ」
「ヤリィ!!山中先生、相変わらず、痺れるぅ~~~!!憧れるぅ~~~!!早くメジャーの檜舞台に上がってガンガン活躍してくれよぉ!!」
「そうだぜ、そうだぜ!!モヒの言う通りだぜ!!今の音楽業界の腐ったヒットチャートを荒せるのは、アンタ等しか居ないぜぇ!!俺等が全面的にバックアップしてやるから頑張れぇ~~~!!」
なっ!!
なんてこった……
まさか、こんな衝撃的なシーンまで目の当たりにさせられるとは……
モヒ……ロン……オマエ等まで……そんな情けない事に成っちまってるのか?
あれだけ音楽好きだったオマエ等が、世界が違うとは言え、こんなんで満足しちまってるなんて……
大体にして、オマエ等が今言った『流行に流されただけの腐った音楽』っての、今みたいな曲の事を言うんじゃねぇのか?
マジで、こんなんで良いのかよ?
本当に、心の底から満足してるのか?
「任しとかんかい!!……そやけどなぁ。そのメジャーに行く前に、どうしても、やっとかなアカン事があんねん」
「おっ、おっ、なんだよ、山中大先生?」
「いやな。同じGUILDの登録者やねんけどな。最近ライブ荒らししとる不届き者が居るやろ。……それが誰の事か知っとるか?」
「あぁ!!居るな、居るな!!仲居間ヒナと、倉津真琴の事だろ。アイツ等、GUILDの名前を汚す様な真似を好き勝手やりやがって。GUILDの長とは言え、絶対に許せねぇし」
「そやねん、そやねん。アイツ等2人にはホトホト迷惑しとんねん。アイツ等のお陰で、GUILDの世間での評価がガタ落ちしとるやろ。そやからな。俺等がメジャー行く前に、アイツ等には、キッチリお仕置きせなアカンと思っとるんや」
あぁ?今なんつったよオマエ?
流石に、今の言葉は聞き捨てならないぞ。
そうやって冗談を言うのも結構だがな。
その冗談を言うにしても、言って良い事と悪い事ってもんがあるだろうに。
大体にして『世間の評価がガタ落ち』って、なんだよ?
評価がガタ落ちしてる処か、提携してくれるライブハウスが増えてるって言うのに、なんでそんな事を言われなきゃいけねぇんだよ?
それなのに俺と、ヒナのやってる事を、この場を借りて全面的に否定しょうってのか?
それが、今回呼び出した目的だったのか?
オイオイ……気に入らない生徒を校舎裏に呼び出す不良じゃねぇんだから、そう言うの辞めてくんねぇか。
それにオマエ……誰に喧嘩売ってくれちゃってる訳?
自分達の実力も弁えずに、あんま調子こいてんじゃねぇぞ!!
しかも、この野郎。
ドラムポジションから立ち上がって『演説家気取り』な真似までして、観客の同意を得ようって言うのか。
どこまで人を舐めてやがるんだ!!
「おぉ~~~っ!!それ良いじゃん!!盛大にやっちまえよ、大先生!!そんでアイツ等2人を、GUILDから叩き出しちまえ!!」
「その通りだぜ、モヒ!!GUILDの長は、アンタ等の方が相応しいって事を証明してくれ!!そんでGUILDを強奪だぁ!!乗っ取っちまえ!!GUILDは、アンタ等のものだぜ!!」
「そやろぉ~~~っ!!俺も、そない思うわ!!……そやから、此処に2人をご招待したってんでぇ~~~」
山中が、そう言った瞬間。
会場内にあるスポットライトが、俺と、ヒナを、眩しいぐらいに照らし出す。
糞ッタレがぁ!!
マジでクダッラネェ真似ばっかしてんじゃねぇぞ!!
此処までして、コイツ等、俺等に徹底抗戦を仕掛けたいのかよ!!
・・・・・・
あぁ、そうかよ、そうかよ。
なら、やってやろうじゃねぇか!!
ソッチがその気なんなら。
本気でコッチも、テメェ等を徹底的に潰させて貰おうじゃねぇかよ!!
そこまでやった以上、もぉ後悔しても遅いぜ。
あっ、それはそれとしてだな。
コッチの世界では彼女ではないにせよ。
勿論、奈緒さんにだけは、ちゃんと容赦させて頂きますね。
どの世界の奈緒さんであっても、アナタが傷付く姿は、もう二度と見たくないんで。
(↑何処の世界であっても、奈緒さんには弱い俺(笑))
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
コチラの世界での山中君のあまりな言動に、とうとう倉津君が怒っちゃいましたね。
まぁ言うて。
最後には、こちら側の奈緒さんの事を呑気に考えられるぐらいの余裕はあったみたいなので。
腹が立ってても、実際は、そこまで怒ってないのかもしれませんがね(笑)
ぶっちゃけて言えば。
このまま勝負に流れ込むとしても、明らかに実力が違いすぎるのが解っているからこそ、こう言った余裕が生まれてるんでしょうしね。
(どんな状態であっても、常に研鑽を重ねてる嶋田さんは除く(笑))
さてさて、そんな中。
この流れからして対バン対決は起こるのは必須な状態ですから、別にそこは良いとして。
勝負を決した場合、お互い、どの様な条件が付けられるのでしょうか?
あぁいや、その前に。
この山中君の演出や演説モドキに、観客は、倉津君達にどういう対応をするのか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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