●前回のおさらい●
ライブハウスの近くまで来ているのに、路上ライブをやる理由。
それは、あまりにも低い知名度からくるものだった。
そして更に、その他にも何か理由があるようなのだが……
「あっ!!……オマエ、まさか!!まずは、そのライブハウスから出て来る客を総取りする為に、此処で路上ライブを刊行しようって魂胆なのか?」
「そぉ、ご名答。知名度の浅い人間は奉仕の心を持ちつつも、献身的な行動をとり。貪欲に客を拾っていかなきゃイケナイからな。……それにだ。サイトを立ち上げて、最初に欲しい客ってのは、こんな時間でもライブを見たがる様な『コアな音楽好きの客層』だからな。なら、そこからコチラ側に引き入れて行くのが、まずは常套手段ってもんだろ」
そう言う事か。
しかしまぁ、上手い事考えてやがるな。
……って言うのもな。
ミーハー感覚で音楽を聴いてる様な奴等を最初に獲得した所で、所詮、ミーハーは何処まで行ってもミーハー。
変な話、そのミーハーが、他に何か新しいものを見付けちまったら、直ぐにソッチに流れて行ってしまう可能性があるんだよ。
だが、こうやってコアなファン層から獲得していく事によって、まずは未然に、そういった客離れを防ぎ。
コチラ側のGUILDの地盤を固めようって寸法なんだと思う。
なるほどなぁ。
流石に一代で、しかも、たった1人でGUILDの根本を作り上げた男。
まぁ相当な腕や自信がないと出来ない事ではあるが、良く考えて、客の略奪を行ないやがるな。
今は、オッパイの大きな可愛い女の子だけどな。
「ほぉ~~~っ」
「まぁ、つぅこっって。まずは、そこのライブハウスから出て来た客共を狙い撃ちにするから、静かなリズムの曲を奏でてくれな」
「静かなリズムの曲だと?……いやまぁ、そりゃあ別に良いけどよぉ。なんで、敢えて、静かなリズムの曲なんだ?」
「なんでかってか?そりゃオマエ。今、あのライブハウスでやってる演奏ってのは、ド派手なハード系の音楽だからだよ。だから客は、既に、そう言う系列の曲は、お腹一杯な訳だ。なら、此処での路上ライブでは癒しの音楽を持って行って、まずは、客の注意を引く方が効果的なるんじゃねぇの?」
ギャップかぁ。
いや、ちょっと違うなぁ。
どちらかと言えば、酒を飲んだ後に、一杯の清涼飲料を飲んだ時の様な感覚に仕上げたい感じか。
まぁ、効果が見えてないから、それが正解なのかは解らないが……これも提案としては、実に悪くは無さそう感じだな。
「おぉ、そう言う事なら解った。……けど、最後にもぉ1つ聞くけどよぉ。唄はどうするんだ?インストでやるんか?」
「いや、そこは、この子の声帯を使わせて貰う」
「それって、遠回しに言ってるが。要は、オマエが唄うって事か?」
ひょっとして、また照れてやがるのか?
それなら……ってイカンイカン。
また余計な事を考えて、失敗を繰り返す所だった。
「おぅ。女性なら、男性より2オクターブは高く声が出せる筈だからな。それさえありゃあ、俺の歌唱力でも、なんとか補えるだろ」
「オイオイ、そんないい加減なんで大丈夫なんか?」
「やけ心配性だな。そんな無駄に心配ばっかしてると、オマエ……将来、禿げるぞ。いや寧ろ、禿げ確定だな」
「うっ、うるさいわ!!つぅか、ヒナの顔で、そんな悲しい事を言うな!!マジで凹むわ!!」
コイツだけは……男でも、女でも、ロクデモネェ事ばっかり言いやがるな。
しかも、以前にも『禿』の話をされた事があるから、変に現実味が増して怖いわ!!
「おぉっと……無駄話は、この辺でお仕舞いだ。お客さんが、群れを成してゾロゾロおいでなすったぜ」
……っで、これだよ。
人が一生懸命反論の言葉を発してるって言うのに、聞いちゃいねぇ。
なんで、毎度毎度の事ながら、コイツは、人の話を聞こうとしないんだろうな?
まぁ、良いっか。
取り敢えずは、此処で文句を垂れてても仕方が無いから、オマエに従って観客の略奪開始だな。
っと言いながらも。
崇秀の、その一言を聞いて、俺は、ライブハウスの方を見てみたんだが……
確かにコイツの予想通り、お客自体はライブハウスからゾロゾロ出て来てるんだが、此処でまたしてもヘビーな問題が発生する。
だってよぉ。
ライブハウスから出て来た客は、ハード系どころか、ドイツもコイツもファッキンな感じしかしない超ハード系の人間ばかり。
もっと言えば、アイツ等、どう見てもメタル系なんだけど……
これ……どうすんだよ?
そんなファッキンな奴等を相手に、癒し系の音楽なんかで気を引けるもんなのか?
求めてる音楽が完全に違くね?
「オッ、オイ……あの客層なのに、大丈夫なんか?」
「あぁもぉ、うっせぇなぁ、この将来『禿』だけは。ゴチャゴチャと余計な心配ばっかしてねぇで、サッサと弾きやがれつぅの。……それともなにか?『早く弾きなさいよ真琴。焦らさないの』っとでも言わなきゃ、ベースも弾けねぇのか?」
オイオイ、崇秀さんよぉ。
言われなきゃ、ベースを弾けねぇ訳じゃねぇんだけどよぉ。
そうやって、早くもヒナの性能を使いこなして、俺を上手く鼓舞するのは辞めてくれねぇか?
そんな事をされたら、無駄にやる気が出ちまうじゃねぇかよ。
(↑単純馬鹿な俺)
「あぁ、そうッスね。その一言が聞けたなら、無心で頑張らせて頂きますよ」
「はぁ……冗談でも喜ぶなつぅの」
なら、冗談でも喜ばすなつぅの。
……っとまぁ、アホな掛け合い漫才は此処までだ。
久しぶりに崇秀のアホンダラァと演奏出来るんだから、飛ばして行っくぜぇ!!
まぁ、そんな風に気合を入れた所で、あくまで今から演奏する曲は優しい音楽なんだけどな(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
ライブハウス前まで来たのに、路上ライブをやる理由は、こんな感じでしたぁ♪
なんにしても、客離れし難い登録者から得て、まずは地盤固めをしないといけませんからね。
これは本編でも書きましたが、ミーハー感覚の人じゃダメなんですよ、ミーハーじゃ(笑)
因みになんですが、これをもっと身近な話で言いますと。
ミーハー感覚で小説サイトに登録した人が居たとしても。
少し上手くいかなかったりしたら、直ぐに他の事に興味が移ってしまい、脱退か放置しちゃうでしょ。
なので、こう言う人達って言うのは、登録して貰っても、あんまり有難味がないんですよね。
まぁ『枯れ木も山の賑わい』なんて言葉もありますので、これが一概に正しいとは言えないのですが。
そう言う適当な感覚の人達の登録って言うのは、後々でも得る事が可能なので、此処ではあんまり必要ないって事ですね。
さてさて、そんな中。
崇秀の単純な言葉に踊らされて、演奏する気満々に成った我等がチョロイン倉津君なのですが。
この後の路上ライブでは、そのやる気を継続出来る様なライブになるのか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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