最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1555 伝言

公開日時: 2025年5月8日(木) 00:21
文字数:2,050

●前回のおさらい●


 親父さんへの頼み事である広告掲載の了承を得。

その上、ブランド名も『無名』で決まり、大満足な結果な倉津君。


そんな折、彼の元に、ひょこっと山中君が顔を出してきて……

「おぉ、誰かと思ったらウンコ垂れじゃん。なんか用か?つぅか、急になにしに来たんだオマエ?」

「ウンコ垂れ、ウンコ垂れ」

「コラ、沙那!!またオマエは調子に乗って」

「えっ?」


あぁ……



「だ~れ~~が~~~ウンコ垂れやってぇ~~~~!!ウンコ付けるぞぉ~~~!!」

「へっ?きゃああぁ~~~っ、ヤダヤダヤダヤダ」


山中の奴、上手く親父さんの気を逸らす為に。

変質者の本性を現して、沙那ちゃんとドタドタと店内で追い駆けっこを始めたな。


店内での変質者と小学生の追い駆けっこは、リアルな性犯罪の現場を見るようではあるんだが、親父さんの目をそちらに向けさせて誤魔化すには非常に有効な手口だな。


やるな変質者。



「まぁ~~てぇ~~~~。オマエも、ウンコ垂れにしたるぅ~~~~!!」

「ヤダヤダヤダヤダ!!沙那、ウンコ垂れじゃないもん!!」

「なんや、便秘か?」

「便秘って、なに?」

「ウンコ出ぇへん事や」

「ウンコするよ」

「ほんだら、沙那ちゃんも、ウンコ垂れやんけな」

「うぅ……山中のお兄ちゃん嫌い」


そう言ってから。

山中に『プイッ』っとしてから、コチラに戻って来る沙那ちゃん。


そんで、口を尖がらせて、再び俺の膝の上に座る。


可愛いですな。


……って、なんの話だよ、これ?



「おい、垂れ蔵。オマエ、マジでなにしに来た訳?」

「いや、なんて事あらへんねんけどな。ウチの【無名】。正式にオマエのサイトに登録する事に成ったさかい。近所の俺が代表して挨拶に来たんや」


はい?なに、その思いも寄らない様な急展開は?


いやまぁ、そりゃあな。

親父さんとの交渉が上手く行ったから、近々『無名の件』も着手するつもりではあったんだが。

まだ、何もしてない内から、なんで急にこんな事に成ってるんだ?


これって、俺の知らない所で、誰かが、何かを動かしたって事か?



「なんだそりゃあ?一体どういう事だ?」

「どういう事も、こう言う事もあるかい。今朝、秀のアホから『辞令』が来ただけや」

「意味わかんねぇし。なんでアホンダラァから、オマエに辞令なんか行くんだよ」

「オマエ、ほんまアホなんやな。秀のアホが『今まで通りの保証とバックアップを付けたるさかい。オマエ等のサイトの手伝いをしたれ』って辞令をメンバー全員に出しよったんや。そやから、俺等【無名】は、保証付きで、オマエサイドに移籍する事が出来る様に成ったってこっちゃながな。……まぁ詳しい事情は、アイツに、直接聞け」


ヤッパリ、あのアホンダラァの仕業か。


本当にアイツだけは……また、そう言う事をするだろう。

昨日、敵同士に成るって、あれ程、口酸っぱく言ったのによぉ。


真面目に戦えつぅの!!


あのお節介野郎だけは……



「あの馬鹿だけは……」

「まぁ、そう言うたんなや。アイツには、アイツ也の考えがあっての事やろうし。コレで、オマエの望むWネームが完成してんから、文句を言う筋はない筈やで」

「いやまぁ、そうなんだけどよぉ。まだ始っても居ねぇのに、今から敵の施しを受けてて、どうすんだよ?」

「そら、オマエやからしゃあないやんけな。オマエが、単独で俺等に交渉してたら、時間がなんぼ有っても足れへんと踏んだんやろうから、しゃあないやんけな」

「グゥ……」

「なんやそれ、ひょっとして『グゥの音』か?おもんな」


面白いですぅ~~。

世界中が大笑いですぅ~~~~。


じゃねぇな。

んな、ガキみたいな事を言ってる場合じゃねぇな。



「ちゅうこっちゃから、おやっさん。【無名】の片割れに恥じん様にウチも頑張るさかい。今後も、宜しゅう頼んまっさ」


あっ、ソッチ行っちゃう?


そうやって、急に俺を無視しちゃうんだ。



「はっ、はぁ。……あっ、あの、ですが。本当に、私の様な者でも、ご迷惑ではないでしょうか?」

「アホな事言いなや。おやっさんの楽器は地上最高や。あの嶋田さんと、遠藤さんを唸らす程の代物やで。そんな大層な物が作れるおやっさんが迷惑な訳あれへんがな。俺等【無名】は、全員、おやっさんの楽器のファンやねんから」

「そっ、そうですか。そんなに、お気に召して頂けたんですね」

「そやで。そやから俺等も、それに負けへん様に頑張るさかい。おやっさんも、えぇ楽器をバンバンと世に送り出したってや」

「あっ、あぁ、はい。そう言う事でしたら、是非、頑張らせて頂きます。皆さんのご期待に添える様に精進させて戴きますね」

「ほな、改めて、宜しゅう」

「コッ、コチラこそ、宜しくお願いします」


あっ、あれ?なにこれ?

俺を抜いたままで、なんか知らん間に、話が纏まっちまったぞ。


それで俺、置いてけ堀な上に、また美味しい所もって行かれてねぇか?


なんか今日は、そう言う日な訳?


俺の立ち位置は?



まぁ……万事上手く言ってるみたいだから、文句は言わねぇけどな。


***


 なんて事が有った後、山中は、本当に挨拶をしに来ただけらしく。

この後、生意気にも用事があるとか抜かして、即座に、この場を去って行く。


そんでまぁ橘親子も、2日ぶりの対面だから、親子水入らずにしてあげようと思い、俺も家を引き上げていく。


ガス・水道・電気、全部通ってるしな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


何事かと思ったら。

崇秀が、またやらかしてきましたね♪


勿論、倉津君にとっては有り難い話の筈ではあるのですが。

面と向かって『正面切って戦え』って倉津君に言われた所なのに、もぉこの有様ですよ(笑)


まぁ、この辺は崇秀なので、仕方がないんですけどね。


さてさて、そんな中。

これにて取り敢えずは、今、やるべき事は全て解決したので。

この後、倉津君は、どうするつもりなんでしょうね?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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