●前回のおさらい●
自身の些細な変化に気付いて欲しくて拗ねるヒナちゃん。
それに対して倉津君は、どこが変化したのか解らずに、また当てずっぽうな事を言って誤魔化そうとするが……
「あっ、解ったぞ!!ソフトケースだな。ソフトケースが変わったんだな!!」
言ってはみたものの。
これじゃあ、あまりにも、当てずっぽうが過ぎるってもんだな。
自身の変化に気付いて欲しい女子に対して、流石に『ソフトケースが変わったんじゃねぇか?』はないわな。
ある意味、回答から一番遠い答えを言っちまったもんだ。
「なぁ~んだ。真琴って、やな性格してるよね。実は解ってくれてたんだ」
マジでか!!
マジで!!そこに気付いて欲しかったのか!!
これはまた、神様ですら見逃しそうな部分に気付いて欲しかったんだな。
けど、ヒナよぉ。
適当な事ばっかり言ってる俺が、こう言う事を言うのも何なんだがな。
敢えて、此処で一言だけ言わせて貰うとだな。
そんなもん、普通に考えても解るかぁ!!
どこの誰が、ソフトケースを変えたぐらいで喜ぶ女子が居ると思うんだよ!!
どんな感性の中で生きてやがるんだよ、オマエさんは!!
……いや、違うな。
これは、女子特有の感性だからこそ、俺には解らなかったってだけの話なのかも知れないな。
男の俺にゃあ、全く持って理解し難い感覚だもんよ。
……っとイカン、イカン。
今は余計な事は考えず、兎に角、ヒナに話を合す時だった。
「いや、まぁな。最初にオマエがソフトケースを背負った時から、なんとも言えねぇ様な違和感はあったんだけどな。まさか、それとは思わなかったもんでよ。……敢えては言わなかったんだよ」
「そうなんだ。ヤッパリ、最初から気付いてはくれてたんだ。流石は真琴よね」
「まっ、まぁな」
なんか、そんなに喜ばれるとよぉ。
適当に言った自分が、急に居た堪れなく成って来たな。
現に、相当居た堪れなくなってたのかして、俺の目元が、自然とヒクヒクと痙攣してるんだもんよ。
なんか適当な俺で、ホントすまんな。
「……でもね。本当に解って欲しかったのは、このソフトケースじゃないんだよね」
「じゃあ、なんなんだよ?」
「そんなの中身のギターに決まってるでしょ。……やっとの想いで手に入れた逸品なのよ」
やっぱ、そこはそうだわな。
普通に考えても、ソフトケースを変えたぐらいで、此処まで喜んではしゃぐ馬鹿は早々には居ねぇわな。
けどよぉ。
嬉しそうに、そう語ってくれてるところ悪いんだが。
よく見ると、そのソフトケースって『IBANEZ』なんじゃね?
なんで敢えて此処で『IBANEZ』が出て来るんだ?
なんか知らんが。
これに気付いた瞬間から、異常なまでに嫌な予感がしてきたんだが……これは気のせいか?
「そっ、そうなんか」
「ねぇ?なにか知りたい?それとも見たい?」
知りたくもなければ、見たくもない!!
敢えて言うなら、微塵もそんな感情は持ち合わせていねぇよ!!
つぅか!!
そんな嫌な予感しかしない危険物なんざ、誰が好き好んでみたがるつぅんだよ!!
だからと言ってもなぁ。
こんなに嬉しそうな顔で『見たい?』なんて聞かれたら。
『微塵も見たくない』なんて、真っ向から言えたもんじゃないよなぁ。
その選択肢だけは、なにがあってもないよなぁ。
(´Д`)ハァ……しゃあねぇなぁ。
此処は1つ、俺の方が妥協してやろうじゃありませんか。
「いや、まぁ……」
そんな風に妥協した事が仇となってしまったのかして、言葉にも、完全に影響が出てしてしまったみたいだな。
なんとも、ドチラとも言えない様な、アヤフヤば返事をしちまったよ。
まぁでも。
今の見せたい気持ちが先行してるヒナなら、意外と、これでも納得出来るんじゃねぇかな?
だからオマエも、これで妥協しろ。
「またそういう言い方する。本当は見たいんでしょ。見たいよねぇ?」
ダメだ。
行けるかなぁっと思ったのも束の間、納得する処か、追撃が来やがった!!
「あぁまぁ、そうかなぁ」
「もぉ、さっきから遠慮しないで良いって言ってるでしょ。サッサと、見たいなら、見たいって言いなさいよ」
マジでダメだぁ~~~!!
ヒナの心境から考えれば、アッサリと事が進むと考えたのが大間違いだったぁ~~~!!
ハッキリと俺が『見たい』って言うまで、全然話が進む気配すらねぇ~~~!!
こりゃあ、完全にエンドレス。
下手しなくても、無限ループに入りそうな感じだしな。
(´Д`)ハァ…ホント、オマエだけはしょうがねぇ奴だな。
こう言うのに付き合うのは、今回だけだぞ。
(↑なんて、更に妥協する俺)
「あぁ、じゃあ見たい」
「だよねぇ~~。やっぱ見たいよねぇ。気に成るよねぇ。……もぉしょうがないなぁ、真琴は。じゃあ、真琴にも特別見せてあげるね」
コイツ、ウゼェ~~~!!
折角、こちら側が妥協して『見たい』って言ってやったのにも関わらず、なに、その言い草?
とても崇秀の女バージョンとは思えない程の面倒臭さだな。
でもな。
言うなれば、これも女子の典型的なパターンの1つなんだから、しょうがねぇわな。
見せたい物は、なにがあっても絶対に見せたいけど。
相手から求められないと、見せないって感覚は、特に女の子なら、誰霜が強く持ってる感覚だし。
そんで見せると決まったら、決まったで、ちょっと勿体ぶりたくなるのも、これまた女子特有の感覚ってもんだからな。
野郎の場合だったら、寧ろ『これ凄くね?』って言って、なにも言わずとも相手側から見せてくるケースが多いからな。
だから、この辺の感覚は『オマエさんも女子なんじゃのぉ』って感じで、敢えて受け止めようじゃないか。
まぁ……それになによりヒナは色んな意味で可愛いからな。
そんな可愛いと思う奴に、こんな態度をとられたら拒絶なんて出来たもんじゃねぇわ。
それが例え、どれだけウザくてもな(笑)
じゃあ、どう足掻いても抵抗するのは無理な方向にしか行きそうにないから。
もぉ此処は、四の五の言わず、このウザさも甘んじて受けるしかねぇわな……って結論に至る訳だ。
(↑……っとか言いながら、このやり取りを、かなり楽しんでる俺)
「……っで、結局なんなんだよ?」
「コレよ、コレ。言うまでもなく、コレに決まってるじゃない」
そう言ってヒナが、嬉しそうにソフトケースから取り出したモノ……それは。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
う~~~ん、なんともまぁ。
この様子じゃあ、ヒナちゃんであっても、倉津君との相性はバッチリみたいですね(笑)
実際の話、普段のヒナちゃんと言うのは毅然としてて、こんな事は絶対にしないような子ですからね。
脇目も振らず、それをするだけでも『【今の倉津君】の事を信頼してる証』に成るのではないかと思いますです。
それにしても……ウザい(笑)
まぁまぁ、そんなこんながありながらも。
漸く、ヒナちゃんが見せたい物が、次回、公表されるのですが。
一体、それは何なんでしょうか?
もぉ予想がついてる人もおられるとは思いますが。
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
あっ、これは蛇足なんですが。
倉津君が本編で言っていた『女性特有の感覚』と言うのは、本人が独断と偏見で思っている事を書かせて頂きましたので、悪しからず(笑)
読み終わったら、ポイントを付けましょう!