最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1614 忘れ物などない……筈

公開日時: 2025年7月6日(日) 00:27
文字数:2,003

●前回のおさらい●


 倉津君に頼まれたアメリカ行きのチケットを渡した後。

2人で『クリスマスをどう過ごすのか?』について話し合っていたら……急に眞子が立ち上がって!!


なにが起きた?(笑)

「どっ、どうしたんだよ、急に立ち上がったりして?」

「あぁいや、あのね。真琴ちゃんに渡したアメリカ行きのチケットって夕方に出発だから。そろそろ時間的にも急がないとダメなんじゃないかなって思って。準備……まだなんでしょ」


あっ……そこな。


放課後に成ってから、結構な時間が経過してるから、そこに慌てて、椅子から立ち上がった訳な。


だがな眞子よ。

俺を、あまり侮って貰っては困るぞ。


俺って言う生き物はなぁ。

奈緒さんに逢いに行くとなると、心が滅茶苦茶踊るし、それを心の底から渇望しているからだな。

前以て、昨日の内に旅行の準備は、ちゃん終わらせてたりするんだぞ。

寧ろアメリカに行くのが待ち遠しくて、3回程、忘れ物がないかもキッチリとチェックした位だ。


だから、その辺に関しては、なんの抜かりはない。


安心してくれ給え。



「あぁ、それならなんも心配イラネェよ」

「なんで?」

「アメリカ行きの準備なら、昨日の内に全部済ましてあるからな」

「…………ハイ?なにが?」


へっ?『ハイ?なにが?』ってなにがだよ?

準備を終わらてるってだけの話をしてるのに、なんでそんな言葉がオマエさんから発せられるんだ?


それ、どういう意味だよ?



「はぁ?いや、だからよぉ。アメリカ行きの準備は万端に整ってるから、何も心配する事はねぇぞ、って話じゃん」

「…………ハイ?誰が?」


いや、だから、なんなんだよ?

その不思議極まりない生き物を見るみたいな顔は?


ホント、なにが言いたいんだオマエは?



「いや、だから、俺が準備万端なんだが」

「うん……さっきから、その冗談、あんまり面白くないよ、ふふ……真琴ちゃんが準備なんか出来てる訳ないじゃない」


オマエだけは……

なにをさっきから巣頓狂な事ばっかり言ってるのかと思えば、そう言う事が言いたかっただけかよ!!


アホかぁ!!

これから奈緒さんと神聖なる儀式を迎えにゃいかんのだから、その旅行の準備ぐらいちゃんとしとるわい!!


子供扱いしやがって。



「冗談じゃねぇつぅの!!俺はなぁ。奈緒さんと逢えるんなら準備がはえぇの!!」

「あぁ、そっか。そう言う事かぁ」

「そう言うこったよ。つぅか、準備処か、昨日、忘れ物がないか3回チェックしたわ。だから準備は万端なんだよ」


早い話、運動会や、遠足前の子供みたいなもんだ。


普段はダラダラして、横着なくせに。

イベントや行事がある時だけ、矢鱈と張り切って準備万端にしてる奴っているだろ。


俺は、あれと同類だ。


だから、こういう時だけは、なにもかもが完璧。

そんな風にイベントを楽しむ為に目一杯準備してるから、なに1つとして忘れ物などないわ。


フハハハハハ!!



「忘れ物も無しかぁ。……じゃあ、じゃあ、真琴ちゃん。少しぐらい時間に余裕が有るんだったら、1つだけ質問して良い?」

「おぅ、なんだよ?もしなんかチェックしようってんなら、ハンカチも、ティッシュもキッチリとカバンの中に詰め込んだからな。なんも忘れてないぞ」

「そこじゃないっての。そんな事を聞きたいんじゃないの」

「じゃあ、なんだよ?」

「奈緒ネェへのX`masプレゼントって、なに買ったの?って、それを聞きたいだけ。そこを、私にだけ、こっそり教えてよ」

「へっ?」

「いや、だからぁ。このX`masには、なにを奈緒ネェにプレゼントしてあげるの?」


ふふっ……


なにを聞いて来るかと思えば……そんな事が聞きたかっただけなのかよ。


しかしまぁ、そんな質問をされるとは、俺も舐められたもんだな。


タラタラタラ……


タラタラタラタラ……


なんだろうなぁ?

なにもかもが準備万端な筈なのに、矢鱈と冷や汗みたいなもんが大量に出て来たんだが……


あぁまぁ、でもあれだよな。

そう言う恋人に渡すプレゼントと言うのはだな。

恋人同士の秘め事みたいなものだから。

眞子が身内とは言え、あまり他人に喋るものでもないよな。


(((uдu*)ゥンゥン、そうだそうだ、そうに違いない。


……ってな訳でござんして。

俺が眞子に出した回答と言うのは……



「……えっ、えぇっとなぁ。それはアレ、アレダヨ。秘密ダヨ(棒読み)」

「えっ?」

「秘密ダヨ……(棒読み継続)」

「えぇ……まさか、その態度……真琴ちゃん……また?またやらかしちゃったの?」

「完全に忘れて……ましたな」

「それ、一番忘れちゃダメな奴じゃん」


面目ない。


つぅか。

3回も見直ししてる暇があるんだったら、まずはそこに気付けよな俺!!


大体にしてだな。

ヒナに言われるまでクリスマスの事を忘れてたんだから。

そんな間抜けな俺が、クリスマスプレゼントを買ってない事ぐらい、自分でも解りそうなもんなのにな。


あぁでも、あれだな。

そんな俺にも最終手段がなくもないんだがな。


それがなにかつぅとだな。

そんなお金で買えるクリスマスプレゼントなんかより、奈緒さんにとったら、俺の生スマイルの方がだな。


……0円ですね。


ハイ、なによりも無価値なものですな。


厚かましい事を考えて、すみませんでした。


大いに反省します。

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


クリスマスを忘れただけでも有罪確定。

その後、反省して、眞子にチケットを頼んでアメリカ行きの準備はしたものの。

最終的には『奈緒さんへのプレゼントを買うのをスッカリ忘れてた』っと言う、お間抜けな始末を演じた倉津君でしたぁ。


真性のアホですね(笑)


さぁどうする?


去年は崇秀に助けられ、なんとか事無くを得ましたが。

もう時間がないだけに、今年は眞子に助けられる羽目になるのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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