最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

1612 ちょっとした眞子への依頼

公開日時: 2025年7月4日(金) 00:21
文字数:2,480

●前回のおさらい●


 ヒナちゃんの要望について、どうするか考えていたのだが。

余りにも答えが出ないので、心の中で1人で逆切れしてたら……


しかしまぁ、そんな風に他人の事ばかり考えていて良いのでしょうかね?(笑)

 ……っとまぁ、そんな感じで。

1人、学校の教室の中で頭を抱えて悩んでいたら。

終業式後にある、冬休み前の少し長めのホームルームすらも終わっていたんだが……


全然、気付かなかったな。


しかも、そこから1時間程経過しており、結構、もぉ、みんな帰っちまってるし……


そして最後に、そんな状態なのに誰1人として一声も掛けてくれてねぇし。


酷くね?

(↑後日聞いた所、眉間に皺を寄せていたから声を掛け難かったらしい)



なんて思っていたら、そこに……



「えぇっと、どこだっけかなぁ?……あぁ居た、居た。真琴ちゃん」


眞子が3-Bの教室に入って来て、キョロキョロしている。

そんで、俺を発見したら、パタパタと、こちらに向かってやって来た。


まぁ、ある事を、昨日、電話で眞子に頼んだから、多分、それの都合が上手く付いたか、どうかの話だろうな。


けど……俺が呆けてた1時間、なにやってたんだろうなコイツ?


まぁそこは、取り敢えず良いか。


詮索しないでおこう。



「おぉ、眞子。お疲れさん。……っで、昨日の件、どうだったよ?」

「うん。大丈夫だったよ。まぁキャンセル待ちでの手配だったから、かなりヤバイかなっとは思ってたんだけど。なんとかチケットは入手しておいたよ」


そう言って眞子は、俺の前の席の椅子を引いて、そこに着席。

その後、鞄から、頼んで置いた旅行チケットを差し出してくる。


勿論、これは言うまでもなく『今日運航されるアメリカ行きの飛行機チケットだ』



「悪ぃな。急な連絡で無理言っちまってよぉ。豪く世話を掛けたな」

「良いよ別に。どうせ昨日はライブに顔を出しに行ってただけだったし、そこは、そんなに気にしてくれなくても良いんだけどさぁ。でも、出来たら、こう言うのは、早目にチケットを押さえといた方が良いよ。冬休み前だったし、昨日の今日だから、ちょっと割増料金に成っちゃったしね」


本当だよな。


またX`masを忘れて、当日近くにチケットを取るなんぞ、どこの間抜け野郎なんだって話だよな。


全く救いがねぇな、俺って。



「いや、ホント迷惑掛けたな。まぁ料金の方は、チケットさえ取れれば、別に構わねぇんだけどな」

「そうなの?あぁでも、なんで、前以て予約取らなかったの?アメリカに行く事は予定してたんでしょ」


……そこは聞かんでくれ。


ここんとこ『ヒナの件』や『受験勉強』や『サイトの立ち上げ』でバタバタしとって、なにかと忙しかったし。

この間、下手に奈緒さんの凱旋ライブで彼女に逢っちまってたから、変に楽しい時間の印象が残っちまっててな。


……完全にボケてただけだからな。


しかも、その別れ間際も、沙那ちゃんが居てくれたお陰で、なんか奈緒さんが遠くに離れて行く感覚が全然なかったんだよな。


そんで最終的には、昨日の昨日まで、奈緒さんが日本に居る様な感覚が抜けてなかったんだよ。


いやはや、なんともお粗末な理由で面目ない。



……ってな訳で。

今から、その辺に関する言い訳しやすんで、聞いてやってくれ。



「あぁ……って言うかな。実際の話で言うと、一度、予約は、ちゃんと取ってあったんだけどな。ほらほら、なんつぅか、此処最近、ちょっと色々あっただろ。だから、一旦、予約をキャンセルしちまったんだよ」

「えっ?あっ、そっか……ごめん」


へっ?

なんで言い訳してるだけの俺に、オマエが謝るんだよ?


へっ?なにこれ?


どういう事だ?



「へっ?いや、なんで、チケットを手配してくれたオマエが謝るんだ?」

「えっ?だって、それってさぁ。あの時の話が原因だよね。私が余計な事をしちゃったから……」


へっ?


・・・・・・


あぁ!!そうか!!そう言う事か!!

眞子の奴、なにをゴチャゴチャ言って凹んでるのかと思ったら、俺の言い訳を、そっちの悪い方向に捉えちまった訳な。


イカンイカンイカンイカン!!

確かに、今の言い様じゃあ、そう聞こえても、おかしくはねぇよな。



「いやいやいやいや!!違う違う違う違う!!それじゃねぇ!!それじゃねぇんだってばよ!!」

「……でも」

「いやいやいやいや、ホントそうじゃなくてだな。俺の言ってるのは、モジャとの話の方だっての」

「細川君?」

「そぉそぉそぉそぉ。ほれほれ、アイツとの話で、此処最近、グッと忙しくなってただろ。だからだな。その件で、急な用事が入っちゃいけないと思ってだな。チケットを一旦キャンセルしただけの話なんだよ」

「そぉ……なの?本当にそうなの?嘘を付いてくれてるんじゃないの?」


まぁ、ある意味、嘘は……付いてるな。

全くチケット予約を取っていなかったから、そこだけは確実に嘘だよな。


けど、それ以外は、全部、オマエの誤解だからな。

だからもぉ、あの事で、オマエが気に病む必要はないんだぞ。


終わった事だからな。



でも……このままじゃ、流石に、雰囲気悪いよな。



「アホか。色々協力してくれてるオマエに、なんで嘘なんか付かにゃあならんのだ。そんな事をする意味すらわかんねぇわ」

「あぁ、まぁ、そうだよね。確かに、私に嘘なんか付いても、なんの意味もないよね。……って事は、今の真琴ちゃんの言い様だったら、今回の企画には、凄く気合が入ってるって事だよね」


そうだな。


もぉ、そう言う事にしておいてくれ。


これ以上、話が、ややこしくなる方向だけは避けたいんでな。



「いやいや、まぁ、その、なんだ。そこはそうなんだけどな。最終的には、どんなに遅くなっても、奈緒さんの所には行くのは、行くつもりだったんだけどな。今後の為にも、ギリギリまで頑張ってみようかなぁっとは思ってはいたな。……なにがあっても、奈緒さんの所には行くつもりではあったんだけどな」

「そっか」


あっ……なんか知らんが、また凹んだ。


今度はなんだ?なにが原因だ?

こう言う話に成ると、意外と感情の起伏が激しい奴だなぁ。


・・・・・・


けどまぁ、あれだな。

多分、このパターンは、俺が必死に成ってると思い込んで、今現在の自分と照らし合わせてるパターンだな。


そこに何か思い当たる節が有って、凹んでる感じだな。


此処だけは、唯一、俺と良く似た性格な部分だから、なんとなく解るぞ。



……って、よくよく考えたら、また俺のせいじゃん!!


なら、此処は一発……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


一応、アメリカ行きのチケットを眞子に頼んでいたからこそ、他人の事を考えるだけの余裕があったみたいですね。


アホの倉津君にしては上出来だと思います(笑)


しかしまぁ、それはそれとして。

なんか此処数話、倉津君サイドの話が続いていたので、眞子、滅茶苦茶久しぶりの登場でしたね。


直ぐに倉津君の話を乗っ取ろうとするお喋りティンダロスも、大人しくなったものですよ(笑)


さてさて、そんな中。

倉津君の言葉の節々で、なにやら凹み気味の眞子なのですが。


この雰囲気を一掃出来るのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート