最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1558 言って置きたかった事と、聞きたい事

公開日時: 2025年5月11日(日) 00:21
文字数:2,044

●前回のおさらい●


 ヒナちゃんの居た世界に行く唯一の手掛かりを探す倉津君だったが。

崇秀がスタジオに来てしまったので、取り敢えずは一旦断念。

そして、その後、それとは別の案件である【無名の移籍の件】についての説明が始まる。

「いやな。昨日、オマエん家のリフォームに行ってた山中がな。その帰りに『オマエんとこのサイトに全員で移籍したい』って相談を、俺に持ち掛けて来た結果が、あれなんだわ」

「へっ?山中が?そんな事をオマエに直談判してきたのか?」


そう言う事だったのか。

あの移籍話の裏には、そういう真実があった訳な。


今回の一件は、崇秀が無名に指示を出したのではなく。

無名のメンバーからの打診があったからこそ、移籍が成立したって事なんだな。


・・・・・・


しかしまぁ、俺の知らない所で、みんな、やってくれるよな。

なんの確証も無い俺みたいなボンクラの為に、そこまでしてくれるなんて。


……泣かせるじゃねぇかよ。



「そぉそぉ。だからな。今までのGUILDに対する貢献のお礼と、感謝の気持ちを込めて、保証付きで移籍を許したって話になる訳だ」

「なるほどなぁ。けど、それってよぉ、オマエが損するばっかじゃねぇの?」

「いやいや、そうじゃねぇよ。その移籍で、自立と、やる気を両立出来るなら、なにも問題無しだ。寧ろ、敵対者の実力が上がるなら喜んで引き受けるさ」


ヤッパリ結論は、そこに集約されてる訳か。


ホント、どこまでもブレねぇ野郎だな。



「そう言う事な。……なら、もぉ四の五の言わねぇわ。ウチのサイトにとっちゃあ、これほど有り難い話はねぇからな。素直に感謝しとくわ」

「まぁ、それが正しい判断だな。お互いにメリットを感じる部分が有るなら、口論なんてする必要なんてねぇもんな」

「まぁな、まぁな」


ホント、いつも、すまないねぇ。


あぁ、しかも、話してる間に作ってくれた二杯目のカクテルも美味いッスな。

さっきのブルショットってカクテルに、トマトジュースと、レモンジュース、それにタバスコを少々を加えてたみたいだけど、コレも美味いッスな。


暖かいモノは、心が落ち着きますな。

(↑後で聞いたんだが、このカクテルは『ブラディー・ブル』って言うそうだ)



「おぉ~~~っ、なんだよ。コレも美味いなぁ」

「そっか、それは良かったな」

「いや、実に美味いな。……なぁ崇秀、それはそうとよ」

「んあ?」

「ホントの用事ってなんなんだよ?さっきの話って、俺に言って置きたかった事であって。オマエが俺に聞きたかった話じゃねぇよな?」

「ほぉ……鋭いねぇ」


いや……オマエの性格を知ってたら。

誰だって直ぐにニュータイプみたいな感じで『ピキ~ン!!』っと勘付くつぅの。


俺も、そこまで間抜けじゃねぇわな。



「……っで、その用ってなんじゃい?」

「いや、まぁ、実にツマンネェ与太話なんだがな。オマエが、今さっき起きた時、おかしな事を言ってただろ。あれって、なんだったんだ?なんの話をしてたんだ?」


……うん?

なにを言い出すのかと思ったら。

なんでオマエが、そんな夢物語みたいな話に喰い付いて来る訳?


まぁ、それで話し易くなったから、コッチとしては有り難い事なんだけどよぉ。



「まぁ、夢なんだろうな。やけに生々しい夢ではあったけどな」

「ふむ。夢だと言う認識はあっても、生々しくは感じるか。……って言う事は、夢体験としては、リアルだったって見解で間違いないか?」

「まぁなぁ。『1つの事象が変われば、此処まで世の中変るもんなんだな』ってのを目の当たりにして、痛感させられた気分だったからなぁ。ある意味、あれ程、生々しい話はねぇわな」

「じゃあ、それが、オマエの、さっき言ってた『ヒナ』って女に繋がる訳だな」


なんだよ?なんだよ?

話を始めた後も、やけに喰い付いて来るじゃありませんか。


オマエが、そんな夢物語を真剣に聞く理由なんて、なんかあんのか?



「まぁ、そうだな。そうなるわな」

「OKだ。……悪ぃが、その辺の事情を、ちょっと詳しく説明してくれねぇか」

「いや、構わねぇけどよぉ。そんなもん聞いて、どうすんだよ?」

「それは、話してのお楽しみだ」

「なんか、早くも不穏な空気が流れてる気がするんだが……」

「気にすんな。そんなもんは、きっと気のせいだ」


そうやって不信に思いつつも、ベラベラと馬鹿話を喋ってしまうのが俺。


さっきの夢の中の出来事を、洗い浚い喋ってしまった俺でした。


いや、つぅかよぉ。

もしこの話を、崇秀が少しでも信じたらラッキーじゃん。


そうすりゃあ、なんか向こうの世界に行くヒントみたいなもんが出て来るかも知んねぇしな。


***


「……ってな感じが、さっき俺の身に起こった事の全貌だな」

「なるほどなぁ。そりゃあ確かに、中々生々しく感じるレベルの話だな」

「だろ、だろ。夢物語にしては、やけにリアルだと思うだろ」

「だな。オマエがそう思うのも、解らなくもねぇ心境では有るな」

「……まぁ、つってもな。所詮、こんな夢物語は、何所まで行っても、夢物語でしかないんだけどな」


一応、痛い子だと思われるのは余りにも哀れなんで、こうやって最低限度の自己防衛本能を発動してみた。


勿論、効果は未知数だから。

此処から、どういう反応が返って来るかはサッパリ解らん。


どんな反応が返って来る事やら。



「フフッ……さて、ソイツは、どうかなぁ?」


はい?


なに、その反応?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


無名の移籍の件は、メンバー全員による直談判が理由だったみたいですね。


ホント、倉津君は人に恵まれてますです♪


そして、その後始まった夢の件については。

なにやら崇秀が、妙に興味を持って雰囲気で話を進めてるみたいなのですが。


一体、何を意図して、こんな話を真剣に聞いてるのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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