●前回のおさらい●
此処で路上ライブをやる説明は終わり。
そして予定通り、ライブハウスから観客が出て来たので……倉津君と崇秀による路上ライブの始まりだぁ!!
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俺はまず、崇秀の要望に答えるべく。
『Silence-time』を基準にして、静かなベースラインを構築して行く事にした。
何を弾くかを伝えてないしな。
因みに、この曲自体は、眞子のアメリカライブで使った曲なんだが、静かなメロディーラインが、とても綺麗な曲。
俺……実は、この曲。
スゲェ落ち着いた気分になれる曲だから、地味に好きだったりするんだよな。
「ほぉ、そう来るか。なら、そのまま行ってみるか。オマケ付でな。……『拡散』」
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ブッ!!
なんか知らんが、崇秀のアホがギターを奏で始めた瞬間から。
このアホを中心にして、パーフェクトヒナのフェロモンが、海風に乗って飛んで来てるやがるぞ!!
ギターの音を聞いてるだけの筈なのに、崇秀を好奇な目で見てしまう。
しかも、一小節も演奏してないのに。
一瞬にして、ライブハウスから出て来る客の脚をピタッと止めやがった。
コイツの演奏は、矢張り桁違いだな。
「♪~~~~~」
なっ、なに~~~!!
イントロが終わり、曲が歌詞の部分に入ってきたから、どんな歌い方をするのかと思ったら……
ゴッ、ゴスペル系だと!!
静謐にして、荘厳な声が、この周囲全てを包んで行きやがる。
以前に聞いてた『Silence-time』とは、全くの別物じゃねぇか!!
崇秀の声を聞いてるだけで、教会に居る様な錯覚さえ憶えてしまう。
なんなんだ、これ?
フェロモンと、教会と言う相反するものが見事に融合して。
なんとも言えない倒錯した世界に、ドンドンと引きずり込まれていくみたいな感覚だ。
有り得ねぇ。
早くも、周囲に人だかりが出来てるぞ。
しかも、ギターに声が重なる毎にトンデモナイ相乗効果を生み出し。
ライブハウスから出てきた客達は完全に脚を止めた後、こちらにフラフラと寄ってくる数は増える一方だ。
ホントに、なんなんだ、この現象は?
……そうやってる内に、アッと言う間に、人だかりが増えていき。
たった一曲の間に、後ろの方の人間が見えないぐらいの人数に膨れ上がっていた。
そして、静謐な雰囲気を持つ『Silence-time』は、6分程の演奏で静かに終わっていく。
「「「「「・・・・・・」」」」」
「皆様、こんばんわ。ライブでお疲れの所、脚を止めて頂きまして、誠に有難うございました。GUILD所属の仲居間ヒナと、その相棒の倉津真琴君です。まずは、どうか、お見知りおきを」
曲の終了と同時に、上手く客の余韻を利用して自己紹介を始めたんだが。
崇秀の奴、動作も言葉の使い方が丸っきり女の子じゃねぇかよ!!
えっ?えっ?えっ?なにこれ?なにこれ?
ってか!!
これって……ヒナなのか?崇秀なのか?
ドッチなんだ?
どっちが主導権を持ってるんだ?
「ヤッ……ヤベェよ、この子、超ウメェじゃん!!ヤベェって、ヤベェって!!」
「しっかも、超絶美形なんだけど。何所に、こんな子が潜んでたんだ。俺シラネェし」
「つぅか、もぅ一曲なんか歌ってくれよ」
「おぉそうだ、そうだ!!アンコールだアンコール!!」
「歌え歌え!!」
崇秀の挨拶後。
我に返った観客達が、我先にと言わんばかりに、そんなアンコールの声を上げ始めた。
それと同時に、その盛り上がりはドンドンと周囲に拡張していく。
早くも崇秀の周囲の人間は、止めどなくヒートアップし始めていた。
特に野郎なんかは……目をハートマークにさせてな。
「そうですね。でしたら。折角ですので、なにかジャンルのリクエストはございませんか?ございましたら、ご遠慮なくどうぞ」
「だったらメタルだよメタル!!ブンブン首を振りてぇ!!」
「オイオイ、そこのアンタ、あんま無茶言うなよ。その子、そんな感じの子じゃねぇじゃんかよ。せめてジャンルを選べよな」
「ちぇ!!あぁ、そうかぁ。流石にメタルは無理か」
「いいえ、ご安心下さい。メタルでも演奏は可能ですよ。皆さんにリクエストして頂けるなら、どんなジャンルでも、お弾きしてみせますから」
「へっ?マジで!!マジでか!!」
「行くよ、真琴!!『Bubble breaker』」
あぁ、そうかぁ、その曲があったか。
この曲ならブラックメタルだし、インパクトも抜群だもんな。
なら、今は四の五の考えず。
勢いのまま、それで行ってみるか。
「あいよぉ、ヒナ」
「……皆さん、メタルの聞き過ぎで消化不良起さない様に、ご注意下さいね」
「「「「「おぉおおぉおぉ~~~~~!!マジでメタルを弾いてくれるんかぁ!!」」」」」
「フッ『Brain-vision=脳天映像』……全員くたばりな」
曲に行くのは良いんだが。
オマエ、今、なんかスゲェ怖い事を言わなかったか?
『Brain-vision=脳天映像』って言葉が、チラッと聞こえた様な気がしたんだが……気のせいか?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
そりゃあ、そうなりますよね。
例え、姿がヒナちゃんであっても、実質演奏するのは崇秀。
そうなれば当然、向こうの世界での技術を使えるヒナちゃんが此処に誕生する訳ですから。
しかもヒナちゃんは美少女な上に、大量に噴き出すフェロモンすら利用してしまったら、男性客が足を止めない理由はありませんしね。
まさにこれこそ、予定調和ってもんですな(笑)
さてさて、そんな風に観客が盛り上がっていく中、2曲目の演奏が始まって行く訳なんですが。
ライブと言うのは、曲を重ねる毎に盛り上がっていくもの。
倉津君と崇秀は、次の曲では、どうやって盛り上げていくつもりなんでしょうね?
まぁ、最後に書いちゃってるんですが(笑)
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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