最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1616 あぁなるほど……そう言う事な

公開日時: 2025年7月8日(火) 00:21
文字数:2,442

●前回のおさらい●


 奈緒さんのクリスマスプレゼント選びに同行してくれる眞子……の予定だったのだが。

校門の前に乗りつけられたロールスロイス付きのジェントルマンが、何故か、倉津君に迫って来た!!


一体、何が起こっているのか?(笑)

「向井眞子様ですね」


違うぞ!!


名指しするのは結構だがな。

俺は、向井眞子じゃなくて、倉津真琴だ!!


つぅか眞子は、俺の大切な姉弟の事だ!!

そうやって喧嘩を売る相手を間違ってんじゃねぇぞ!!


……へっ?


はぁ?いや、ちょっと待て、ちょっと待て。


眞子?眞子だと?

今この英国紳士みたいな男は、俺の名前を呼ぶのではなく、眞子の名前を口走ったよな?


・・・・・・


なんだ、なんだ?

じゃあ、このジェントリーな奴は、俺に用事があるのではなく。

俺の隣に居る眞子の知り合いだったからこそ、俺に向かって来た様に見えただけとでも言うつもりなのか?


もしそうなら、訳の解らん妄想に憑りつかれ。

変に臨戦態勢に入っていた俺は、結構恥ずかしい状態に陥ってるんだが……


・・・・・・


取り敢えずは、まぁいい、まぁいい。

事はどうあれ。

此処の真相を確かめるべく。

今は、俺の横に居る眞子の態度を見て判断するべか。



「へっ?あっ、あの、はい。確かに、私は向井眞子ですけど。どちら様でしょうか?」


あれ?

この反応は、どうした事だ?

……眞子の奴も、俺同様に動揺してやがるし、相手に向って質問まで投げ掛けやがったな。


だったら、こりゃあ知り合いって訳でもなさそうな感じだな。


じゃあ、誰だ?

一体、このジェントルマンの正体は、誰なんだ?



「ふふっ、ひょっとして、眞子は、僕の顔を忘れちゃったのかな?」

「えっ?あれ、あれあれ、あの……もしかしてジェフさん?ジェフさんじゃないですか?」

「そうだね。久しぶりだね、眞子」

「あぁもぉ、信じられない。あまりにも突然だから吃驚しちゃいましたよ。驚かさないで下さいよぉ」

「驚かしてゴメンね。でも、相変わらず、元気そうだね」


あれ?

やっぱり、会話の内容からしても、なにかしろの知り合いだったみたいだな。


しかも、かなり親密なご様子。


……って事は、なにかい?

以前このジェントルマンと会った時とは、見た目的になにかが違ったって事なのかもしれんな。


しかしまぁ、それはさておき。

ドチラにしてもオマエ、豪くジェントリーな知り合いが居るんだな。


オィちゃん、驚きですぞ。



「あぁ、はい。お陰様で、いつも元気にさせて貰ってますよ」

「そう。それは良かった」

「あの、それは良いんですけど。……ところでジェフさん、私になにか御用でしょうか?それにどうしてコチラに?」

「あぁまぁ、そうだね。今の状況じゃあ、そうなっちゃうよね」

「ですね」

「なら、その詳細は、車の中で話させて貰うから、取り敢えずは、車の方に乗って貰って良いかな?」

「えっ?あの、でもですね」

「申し訳ないけどね、眞子。少々立て込んでてね。時間があまり無いんだ。それに心配しなくても、僕は、仲居間さんの使いで来てるだけだから、安心して貰って大丈夫だよ」

「えっ?あの、崇秀さんの使いですか。……えぇっと、あの、でも、私、今から真琴ちゃんと……」


あぁ、そう言う事か。

これで漸く、全ての謎が解けたぞ。

どうやら、このジェントルマンらしき男の正体は、眞子の知り合い以前の問題として、崇秀の差し金らしいな。


そんで更にアレだな。

あの野郎、クリスマスは普通に過ごすみたいな事を眞子に仄めかして置いて。

その裏では、眞子の為に、特殊なサプライズ・イベントを用意してやがったんだな。


やるねぇ。

にくい演出をするねぇ、コンチクショウ。


まぁ、そんな理想の彼氏みたいな崇秀に比べて俺は、クリスマスを忘れてた上に、彼女へのプレゼントすらも忘れる様なクズだがな。


ホント、比べるまでもなく、どうしようもねぇな。


ショボボボボ……

(↑1人で勝手に推理して自爆する俺)


……っとまぁ、そんな心境は、ひとまず置いておいてだな。

眞子の奴、この突発のイベントに対して動揺してる以上に、どうやら俺との約束の事を気にして。

この崇秀の使いであるジェントルマンの誘いを、どう対処したもんかと悩んでいるみたいな表情を浮かべてやがるな。


だったら、此処は1つ……



「あぁ、眞子。俺の事なら放って置いても良いから、行って来いよ」

「えっ?でもさぁ、真琴ちゃん1人じゃ……それに約束も、真琴ちゃんの方が先だし」

「アホか。子供じゃねぇんだから、彼女のプレゼントぐらい1人で買いに行けるわ。だからオマエは、余計な心配はしなくて良いから、崇秀にたっぷり楽しませて貰って来いよ」

「でも……」


うむ……眞子は本当に良い奴だのぉ。


義理堅いつぅか、なんつぅか。

どんな些細な約束であっても、優先順位をちゃんと守ろうとしやがる。


なら、これはもう1押し必要だな。



「もぉ良いから、はよ行け。マジで俺は大丈夫だからよ」

「あぁ、うん。じゃあ、そこまで言ってくれるんなら……ゴメンね、真琴ちゃん、申し訳ないけど、そうさせて貰うよ」

「おぅ、なんも気にせずに、行って来い、行って来い」


そんな感じで、漸く、俺の説得に応じ。

眞子は嬉しそうな顔をしながら、ジェントルマンに連れられてロールスロイスと共に去って行った。


つぅか、眞子の件のそうなんだがな。

崇秀のアホンダラァにしてもクリスマスの予定ってもんがあるんだろうから、それを俺の子供みたいな些細な用事で潰す訳にもいくまいて。


……ってな訳でだ。

俺が此処で、最後に、眞子に手向ける言葉があるとしたらだな。


この後、どんなサプライズが待ち構えてるかは知らんが、お幸せにぃ~~~~!!


ぷぷぷっ……



あぁっと、これは、眞子がそうやって去った後の余談なんだがな。

校門に集まっていた女生徒の大半は、そんな眞子の姿に、わ~きゃ~騒ぎながら、スゲェ羨望の眼差しで見送ってたな。


まぁけど……これだけの特別な待遇を眼前で見せつけられりゃあ、女子達が、こうなっても当然だわな。


クリスマスのイベントの為だけに。

公立中学校の校門に、ジェントルマン付きのロールスロイスで出迎えに来て貰える女性なんて。

それこそ、俺の妹である真菜が通っている様な金持ちの超お嬢様学校の女生徒ですら、早々には体験出来ない事だろうしな。


それを狙っての事なのかは知らんが。

崇秀……毎度毎度の事ながら、恐ろしい子(笑)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


ハイ、ただの倉津君の勘違いでしたぁ(笑)


まぁ、倉津君の言い分も解らなくはないのですが。

冷静に考えれば。

何処の世界に、公立中学校の前にロールスロイスを乗り付け。

それで、ワザワザ喧嘩を吹っ掛けに来る人間が居ると思えるのかが、寧ろ不思議ですよね(笑)


常識的に考えても、ない話です。


さてさて、そんな風に眞子が、ジェフさんによって連れていかれた訳なんですが。

この後、倉津君は1人でも大丈夫なんでしょうか?


なんか眞子が付き添いしてくれてた理由を、完全に忘れてる様な気がするのですが……


ってな内容のお話を、次回は書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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