最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1600 不意に届いた挑戦状……なんだが

公開日時: 2025年6月22日(日) 00:21
文字数:2,237

●前回のおさらい●


 ヒナちゃんとの一悶着が一段落したので。

さぁ、今日も頑張って、路上ライブにレッツゴー!!

 ……っとまぁ、ライブに出掛ける前に、そんな一悶着も有りながらも。

最後の最後に、無駄な『アパッチの雄叫び』を見事にかました所で、漸くライブに出掛ける準備が整った訳なんだがな。


少し時間が気に成ったので。

時間を確認する為に、家にある掛け時計を見てみると、時間は、既に19時を廻っていた。


あちゃ~~~。

どうやら余計な問答をし過ぎて、無駄に時間を喰ってしまった様だ。

しかも満の悪い事に、今日は、ライブハウスの前の行き先すら決まっていない状態。


まさに最低最悪の泥沼状態に成りつつあった。


そんな中、取り敢えずは出掛ける為にも。

いつもの真っ黒で厳ついベンツに2人で乗り込もうとしたら、突然、ヒナの携帯が鳴り。


誰かからのメールを受信したみたいなんだよ。


でもな。

そのメールを見たヒナは、なにやら不信そうな顔をしている。


なんだ?

誰からのメールなんだ?



「うん?どうかしたのか?」

「いやね。別にどうって事はないんだけど、今、突然こんなメールが来てるんだけど。……これ、どうしたら良いと思う?」


そう言ったヒナに携帯電話を手渡され。

車に乗り込みながらも、そのメールの内容を確認してみたんだが……


なんだこれ?

コレを出した相手方の人間は、一体なに考えてこんなメールを送って来やがったんだ?


俺に、そう思わせる様な文面は、こんな感じのものだ。



       ―――招待状―――


  昨今の貴殿等のご活躍、我々の聞き及ぶ所にあり。


 願わくば、本日行なわれる、我等のライブに参戦されたし。


      もし来られなかった場合は。


  尻尾を巻いて逃げたと、判断させて戴きますので。


努々『逃げられる』と言う、卑怯な選択肢が無い様に願います。


                    MrXより



……なっ。


一見したら、文字通り、普通の招待状。

若しくは、挑戦状を叩きつけられた様に見えなくもないかもしれないんだけどな。


これ、どう考えても、この文章を書いた奴は馬鹿だろ。


そうやってライブに招待してくれるでも、挑戦状を叩きつけるでも大いに結構なんだがな。

ライブをする『時間は書いてないわ』『場所は指定してないわ』では、こんなもん、どうにも成らないだろ。


寧ろ相手方は、これで、どうしろって言うんだよ?


俺は、崇秀みたいなエスパーじゃねぇんだぞ。



「馬鹿だ。多分、それを出した奴は、可哀想な位、究極の馬鹿な奴なんだろ。だから、もぉソッとして置いてやれ。寧ろ、そんなややこしい奴に、ワザワザ付き合う義理はねぇよ」

「だよね。私も、そう思う。出来れば相手にしたくないタイプだし」

「だろ。だったら放って置けよ」


慈悲の心を持って、生暖かく見守ってやれ。


時には、そう言う優しさも必要だ。



「……そうなんだけどね。でも、残念ながら無視は出来無いよ」

「なんでだ?」

「だってさぁ。こう言う手合いって言うのは、絶対に自分のミスを棚に上げて、なにかややこしい因縁をつけて来るでしょ」

「あぁ……それな」

「それに、今、GUILDにとっては大切な時期な訳だし、そう言うロクデモナイ噂を、世間に吹聴されたりすると困るんだよね。……出来れば、そう言うリスク自体避けたい処だし」


あぁそうかぁ。

馬鹿だからって放置したんじゃ。

馬鹿だから、なにを仕出かすか解らないって事かぁ。


うんうん、実に理に適った話だな。


所謂『無敵の人』って奴だな。


そりゃあ全く持って困ったもんだ。


……なんて。

どうにも間抜けな事を考えていたら、ヒナの携帯が、再び、電子的な着信音を奏で出す。


ε-(´∀`*)ホッ

この様子だったら、どうやら相手さんも、自分のミスに気付いてくれたみたいだな。


コレで一応の所は、一安心だ。



……けど、何故か、またヒナの顔がヒクヒクと引き攣ってる。


今度はなんだよ?

相手方、なにを仕出かしやがったんだ?



「あぁもぉ……この人、なにがしたい訳?この送り主、頭の中が、どうにか成っちゃてるんじゃないの?」


そう言って、再度、ヒナから携帯を手渡されるんだが。


その内容がよぉ。



『絶対に来いよ。逃げる事は許さない』


……だってよ。


もぉホント馬鹿じゃねぇのか?


絶対に来いよって言われても、現状じゃあ行き様がねぇわ!!


呼び出す事に必死になり過ぎるのも結構なんだがな。

最低限、メールを送る前に、必要最低限の事が書けてるかを確認してから相手に送れや!!


ホント、マジでコイツだけは、どんなアホンダラァだよ!!

山中クラスのアホとしか考えられん様な、究極のアホタンだな!!



「(´Д`)ハァ…あのよぉヒナ。面倒だろうが、もぉ『場所と時間の指定がない』って打ち返してやれよ。あまりにも哀れ過ぎるぞソイツ」

「……そうだね。なんだか知らないけど、流石に、ちょっとだけ可哀想に成ってきた」


そうやって、ヒナがメールを打ち返す事によって。

漸く、ちゃんとした時間と、場所を指定したメールが来たんだがな。


挑戦状を叩きつけた相手に教えられてから、そんな常識的な事に気付いてんじゃねぇよ!!


もぉ、なんじゃこりゃあ~~~!!


こんなんじゃあ、まったくヤル気が出ねぇ~~~~!!


・・・・・・


うん?でも、ちょっと待てよ。


これって……ひょっとしてなんだが、挑戦状を叩きつけて置きながらも、こうやって精神攻撃を仕掛け。

俺等のヤル気を削いで、絶対的な勝利を勝ち取ろうって高度な戦法なんじゃねぇのか?


じゃなきゃ、こんなスカタン真似を普通ならしねぇだろうしな。


もし仮にそうなら。

相手は、佐々木小次郎を破った時の宮本武蔵バリに精神攻撃のエキスパートだな!!



まぁ……絶対に、そんな事はねぇだろうけどな。


絶対に、ただのスカタンな野郎な気しかしねぇし。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


ライブをやる行き先が決まってない所に、叩きつけられた挑戦状!!

……っと、此処までは、中々、倉津君とヒナちゃんにとっては好都合な展開だったのですが。

どうやら、相手が少々頭の弱い子だったみたいなので、此処でも一苦労する羽目に成ってしまいましたね(笑)


まぁでも、取り敢えずは行き先が決まっただけでも、此処は良しとしましょう。


さてさて、そんな中。

2人を呼び出した相手は、一体、何者なんでしょうか?


倉津君達を待ち受ける会場で、その正体が明らかに成るのですが。

矢張り、その正体は、山中君クラスのアホンダラァの仕業なのでしょうか?(笑)


次回は、その辺りのお話を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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