●前回のおさらい●
帰路に就く車内で、のんびりと今回のライブについての話をしながら車を走らせていたのだが。
その際、崇秀とヒナちゃんの魂の融合が、思ったよりも早い事を知らされた倉津君は!!
そんな訳でございまして、かなりの緊急クエストが発令!!
……をした訳ではないんだが。
一応、急ぐに越した事はない状態みたいなので、此処からは下道を走るのは辞め。
近場にあった入り口から高速に乗り、一気に帰宅時間の短縮を図る事に成功し、なんとか無事に家まで到着する。
その後、一旦は2人で俺の部屋に行き。
崇秀は、今日、ヒナに出したヒントであろう物をパソコンに纏めて打ち込んだ後。
元々あったブレンドされた蜂蜜酒に、更に何かを加えた物を飲んだので、アッサリとあの糞魔王を地獄へ送り返す事には成功した。
一応、この魔王の地獄への帰還により、事無きを得た筈なんだが。
肝心のヒナの奴が、まだ、さっきのライブで精神的にまいっちまったのかして、グッスリ寝てしまっており、未だ完全に無反応。
これじゃあヒナが無事なのか、どうかの確認のしようがないので。
故に寝てる所、悪いとは思ったんだが、今回に限っては、ゆっくりとヒナの肩を揺すって起こしてみる事にした。
すると、数回肩を揺すった位に、少し不機嫌そうな寝惚け眼で目を覚まし始めた。
さて、そうなると後は、なんの変調もないかどうかだな。
「うぅ~~~ん。なに?……まだ眠いんだけど」
おぉ……この雰囲気から言って、間違いなく、これはヒナではありそうだな。
それに、さっきまでは少々慌てたんで、今まで気付かなかったんだが。
例の極悪フェロモンの分泌量も一気に減少してるみたいだから、コレで当面の問題も無しだと思われる。
……本当に大丈夫だよな?
「寝てる所を起して悪ぃな。オマエが、ヒナ本人なのか確認しなきゃいけなかったもんでな」
「あぁ、何事かと思えば、そう言う事ね。確認の為なら起こされてもしょうがないわね」
「悪ぃな」
「良いわよ。でも、そう言う事なんだったら、崇秀様は、もうお帰りに成られちゃったって事だよね?」
まぁ、そういうこっちゃな。
けど、なんか今、ヒナの言葉にスゲェ違和感があったんだけど、なんだ?
なんの違和感だ、これ?
・・・・・・
( ゚д゚)ハッ!そうか!!
なにに違和感を感じたのかと思ったら『様』だ!!
けど、その『様』って、なんだよ?
それは一体、なにを表す記号なんだ?
崇秀のアホンダラァに、様を付ける必要性なんて、どこにもない筈なんだがな?
なんか、おかしな事に成ってないか、オマエ?
「まぁ、帰ったは帰ったわな。けど、それはそうと、ヒナ?」
「なによ?」
「オマエさぁ、今、なんで崇秀なんぞに『様付け』なんかしたんだ?」
「うん?なんでって、そんなの決まってるじゃない。……あのお方は、私にとっての救世主。神様みたいな人だからだよ」
「はい?」
何言ってんだコイツは?
「だってそうじゃない。今日、初めてお逢いした所だって言うのに。あのお方って、滅茶苦茶優しく接してくれたし。教え方も、凄く親切で丁寧で、その上、私の体を大切に扱ってくれた。それにそれに、私の為に、慣れない体で、あんな凄いライブまでして貰ったんじゃ。もぉ神様としか形容のしようがないじゃない」
いや、あの……そうやって意気揚々と話すのは結構なんだがな。
ちょっと待て、ヒナさんや。
そりゃあ現実的に見ても、全部が全部間違っちゃいねぇのかもしれねぇがな。
オマエさんの、その見解は、どうなんよ?
なんかオマエ、重要な事を忘れてねぇか?
「オイオイ、ヒナよ。そうやって感心するのは結構だがな。オマエと、アイツは、一応、同一人物にも等しい存在なんだぞ。そこを、ちゃんと解ってるか?」
「恐れ多い事を言わないの。私と、あのお方が、同一人物だなんて有り得ないから」
「お~~~い、ヒナ~~~!!それ、違うぞ」
「違わないから。もぉ最高だから!!ねぇねぇ、そんな事より真琴。次は、崇秀様いつ来て下さるのかなぁ?凄く待ち遠しいんだけど。……って言うか、寧ろ、ズッと私の体の中に居てくれても良いんだけど」
「うわぁ~~~……マジかよ。ダメだコイツ」
最悪だよ。
マジで最悪な事態だよ。
ヒナの奴、体調に関しては、何も問題なさそうだから、そこは良かったんだが。
精神的には、アイツに対する思考が、滅茶苦茶おかしな事に成っちまってるじゃねぇかよ。
なんてこったい!!
しかも、滅茶苦茶嬉しそうな顔で、次回の崇秀の来訪を期待してるみたいなんだが。
もう早々に、そんな機会なんて訪れないって、さっき、あのアホンダラァに言われた所なのに、どうすんだよ、これ?
どうしたもんだ、これ?
あのアホンダラァだきゃあ、余計な真似しやがって。
これじゃあまるで、完全にヒナの奴を惚れさせちまってる状態じゃねぇかよ!!
イラン事ばっかりすな!!
・・・・・・
あぁ……ダメだ。
そんなおかしな事に成ってるヒナを見てると、ついつい思い出しちまった名シーンがあるんだが……
警部『アイツは、貴女から大切なものを盗んでいきました』
女子『えっ?私、なにも盗られては居ませんが』
警部『いいや、奴は間違いなく盗んでいきまたよ。……あなたの心を』
……って、あのアホンダラァだきゃあ、テメェの正体はルパンⅢ世だったのか!!
節操もなく、ナンデモカンデモ略奪して行きゃあ良いってもんじゃねぇんだぞ!!
ホント、アイツだきゃあ。
毎度毎度、ロクデモネェ事ばっかりする略奪者だな!!
(↑恒例になった、今回のサブタイトルの回収(笑))
***
次回予告。
今回の件が、ヒナの心に、どういった楔を打ち込んだのかは解らない。
ただヒナが、それによって無駄なぐらいヤル気が充実してるのだけは間違いないな。
けどなぁ。
そうやってヤル気が充実してるのは結構な話なんだが、そこに不安がない訳でもないんだよなぁ。
実はヒナって、結構なドジっ娘だから、それが変に空回りしなきゃいいんだが。
それに付け加えて、今現在、なにやら崇秀に対して、おかしな感情まで持ってるみたいだしなぁ。
大丈夫なんか、アイツ?
……ってな訳で次回。
『Force one`s way into the Live』
「ライブ乱入録」
……を、お送りする訳なんだが。
もぉ……取り敢えず、誰でも良いから、このヒナの恋心だけでも消してくれよ!!
このままじゃあ、絶対に俺が被害を被る予感しかしねぇからよぉ。
マジで助けちくり!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
これにて第一章・第九十六話【Looter(略奪者)】はお終いに成るんですが。
ヒナちゃんが、おかしな事に成って終わっていきましたね(笑)
まぁ、そうは言ってもですね。
崇秀は『出来ない子』に対しては、比較的、優しく親切丁寧に教えてくれますし。
なにより、その教え方1つを例にとっても、倉津君の時も、そうだったのですが。
かなり解り易いヒントを出した上で、相手が理解出来る様な説明まで入れて来ますので、そんな事をされたらヒナちゃんが、こう成っても仕方がなかったりするとは思います。
まぁ、ヒナちゃんには、そうなる理由が、もう1つあるんですが。
それは次回から始まる第一章・第九十七話【Force one`s way into the Live(ライブ乱入録)】にて触れさせて頂きこうと思っておりますので、今は敢えて伏せて置きますね。
さてさて、今後、どうなる事やら?(笑)
そんな感じなので。
良かったら、また次話にも遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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