●前回のおさらい●
ヒナちゃんが倉津君に見せたかったものの正体が、今、明らかに!!
果たして、ソフトケースから出て来たものは、なんなのか?
バレバレですけどね(笑)
『IBANEZ UV-7』
(´Д`)ハァ……ヤッパリか。
ヤッパリ、予想に反する事なく、それが出て来やがったか。
ソフトケースに『IBANEZ』って書かれてた時点で、なんか嫌な予感はしてたんが。
寸分の狂いもなく、その嫌な予感が的中しちまったよ。
まぁ、言うて。
嫌な予感が的中したとは言え、流石に現状で、それを表情には出さんがな。
「ほぉ、UV-7か」
「そぉそぉ。ある楽器屋さんで偶々ミント状態の物を見付けてね。ネットで注文して置いたのよ。それが漸く、今日届いたのよね。もぉ感激」
「そうなんか?でも、なんでまた、そんなに感激なんだよ?」
「ハァ……もぉ……アンタって、考える知性がないの?そんなの考えるまでもなく、崇秀様と同じ物が欲しかったからに決まってるでしょ。そんな事も解らないの?」
……だと思ったよ。
オマエさんのこったから、そんなこったろうと思ってましたよ。
この同キャラ崇拝者め!!
「あぁ、そぉ。そりゃあ良かったな」
「ちょ!!なによそれ!!アンタも、もっと喜びなさいよ」
「なんで俺が……」
「なに言ってんのよ。これさえあれば、崇秀様がコチラにいらした時、なんの支障も無く演奏して貰える様に成ったんだから、アンタも喜んで当然じゃない」
あぁ……まぁ、そう言われれば、そうだな。
なんで俺が、崇秀との共演を、そこまで喜ばにゃあイカンのかは謎のままだが。
それとは別に『アイツの愛器がなにか?』って聞かれたら、即座に浮かんでくるのは、間違いなくUV-7かフラン(ギブソンSGの改造ギター)もしくは、グレッチのホワイトファルコンって所だもんな。
そんでまぁ、その中で、一番手に入れ易そうなものはUV-7だから、それを狙った訳か。
……でもアイツ、多分、もぉ相当な用事が無い限り、コッチの世界に来るつもりはないんだけど、これ、どうしたもんだ?
万が一にでも、魂の融合が起こったら危険だと思ってやがるからな。
なので喜んでる所、非常に悪いとは思うんだが。
それは、骨折り損の草臥れ儲けになっちまいそうな感じだな。
けどな。
流石に、今、その真実を伝えてやるのは可哀想だろ。
そこまで俺も空気が読めない訳じゃないしな。
「ほぉ、そりゃあまた、中々用意周到なこったな」
「でしょ。……だから、次来る時は、必ず、崇秀様も連れて来てよね」
「へっ?」
「だって頃合じゃない?この間のライブから、丁度、今日で二週間でしょ。だったら、練習の成果を見て貰いたいし。二週間も魂が触れ合ってなかったから、寂しいのよね。折角、UV-7も用意したんだから、この体で使って貰いたいしね」
ヤバイなぁ。
まさか、その為だけに、このUV-7を用意していたとはな。
コイツ、相当勢いで、崇秀に入れ込んでやがるな。
「オイ、コラ、ヒナ」
「なによぉ?」
「オマエが、崇秀に入れ込む気持ちも解らんでもないがな。魂の融合の危険性があるから、そう言うのはダメだ。アイツは気軽にゃ呼べねぇよ」
「なんでよぉ?別に良いじゃない。そんな簡単に、魂の融合なんて起こり得ないわよ」
「アホか。その、もしもの事が有ったら、どうすんだよ?それって、オマエが死んじまうのと一緒なんだぞ」
そんな危険を孕んでる以上、絶対にダメだ。
俺みたいに、コッチのボンクラと、そんなに魂の質が変わらない奴なら、まだ鬩ぎ合いが有るから均等も取れるだろうが。
オマエと、崇秀とでは、圧倒的に魂の質が違い過ぎる。
遊び半分で下手な事をしたら、アイツの強力な魂に飲み込まれちまうぞ。
あれ?……逆だったっけ?
うん?まぁ良いか。
多分、そんな感じの話だったと思うし。
(↑間違ってます(笑))
「違うね。それは死とは言わないの」
「どこがだよ?人の意思に飲み込まれちまったら、自分の意識が無くなるんだぞ。そんなもん、死んだも同然じゃんかよ」
「それも違うね。もし仮に、そうなったとしても、それは2つの魂が重なって、新しい魂が生まれるだけの話。片一方だけの意識が無くなるってもんじゃないの」
2つの魂が、新しく1つの魂に生まれ変わるだけだと?
なに言ってんだコイツは?
そんな馬鹿みたいな屁理屈を捏ねて、意味の解んねぇ事を正当化しようとしてんじゃねぇぞ!!
「だとしてもだな。魂1つに、体が2つ。こんなもん、どうやって処理するんだよ?」
「なに言ってるの?そんなの簡単じゃない。魂が2つの体を行き来して、操れば済む話じゃない」
「なっ!!」
「元来、私と、彼には、時間や空間って概念が無いんだから、必要以上に心配をする必要なんてものはないの」
「オイ、いい加減にしろよヒナ!!俺はなぁ、オマエや、崇秀って個人が好きななんだぞ。それがワザワザ、お互いの個性を潰してまで1つに成る必要性なんて、何所に有るつぅんだよ?あんま馬鹿ばっか言ってんじゃねぇぞ!!」
なにが1つに成っても良いだ。
そんなもん、なに1つ良い訳ねぇだろ。
寧ろ、なにが良いのかすら、俺には全く理解出来んわ。
つぅか、そうやって乙女心全開に成るのは結構だがな。
冷静に成って、もう一回、それがどういう事なのかキッチリ考えてみろつぅの。
しかしまぁ、ヒナの奴、なんで此処まで崇秀に入れ込んじまってるんだろうな?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
豪く今回は揉め事が多い回ですよね。
しかも、今回のは度が越えてる様子なので、倉津君もややお怒りモード。
しかしまぁ、崇秀に色々教えて貰ったとは言え。
本当に、なんでヒナちゃんは、此処まで崇秀に固執してしまっているんでしょうね?
次回、その理由が明らかに成りますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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