●前回のおさらい●
山中君の煽りの呼応した観客が、2人を攻め始めたが。
これを倉津君が一蹴して、観客はビビり散らかす状態に陥ったのだが……更に、そこから。
山中大先生たってのご指名の様だから、ステージ前のフェンスをヒョイっと乗り越えてステージ上に上がる。
さっきの俺がやらかした一幕で、観客達はブーイングをするのも忘れ。
当然、そうなると盛り上がる事もなく。
ただ、これからの成り行きを呆然として見守っている状態に成ってしまった。
ライブハウス内は、音の無い世界に行ったかの如く、完全に静まり返っていた。
そして当然、それを引き起こした俺に対して、山中のアホが睨み付けて来る。
なんだそりゃあ?
笑うぐらい、解り易い趣向じゃねぇかよ。
なんの演出だ、それ?
……さてと。
相手方がそうやって、勝手に演出をかましてくれてるなら。
此処で俺が考えるべき事は、このお調子者の群れを、どう処罰するかだけの事だな。
どうしたもんかな?
「おぉ~~おぅ。えぇ度胸しとるやなかい、マコ。ヒナちゃん連れ出して、ド素人が、よぉも好き勝手跳ね回ってくれたのぉ。ちょっとオイタが過ぎるんちゃうか?」
あれ?
ひょっとして、この言い様はアレか?
コッチの世界の山中は、素直じゃなく、ヒナに好意があるって事なのか?
……っで。
そんなヒナを俺が連れまわしてるのが気に食わなくて、喧嘩売って来たとかって話なのか?
まぁ、そんな事は、別にドッチでも良いか。
この殺伐とした状況下で、そんな事を、どうこう考えても仕方がねぇしな。
売られた喧嘩は買うまでだ。
「うぜぇ。こちとら、テメェが訳の解らねぇメールで、一方的に呼び出し掛けてきやがったから、ワザワザ出向いて来てやったんだろうがよぉ。やる事成す事、わざとらしいんだよ」
「さよですか。そら、すんませんなぁ」
「解ってんなら、ツマラネェ口上垂れながら、臭ぇ息吐き出してねぇで。サッサと、どうしてぇか言えや。この勝負で負けた方は、どうなるんだよ?」
勝負勝負!!
ゴチャゴチャ言ってても始まらねぇからな。
それによぉ。
此処の場に居る観客が、どうしていいか困ってるしな。
今はオマエ等のオーディエンスなのかもしれんが。
今後は俺等のオーディエンスに成るんだから、退屈させちゃマズイしな。
「ほぉ、マコのクセに、話が早いやんけ。ほな、ハッキリ言うたるわ。オマエ等、俺等に負けたら、GUILDの権利を譲渡して自主脱退せぇや。あんな無茶なやり方、コッチとら迷惑この上ないんじゃ」
なるほどなぁ。
そこまで言う程、俺達のやり方が気に喰わないって事か。
言わば、俺等自身、多少は強引な所もあったし。
俺とヒナには、これと言った実績も無いから、これが反旗を翻すチャンスだって思ってた節もある訳な。
まぁまぁ、向こうでもコッチでも山中は、変に堅実な所があるみたいだから。
自己保身する事を考えりゃあ、自然と、そう言う発想に成ってもおかしくはないわな。
折角、上手くメジャーへの道が開けそうな所に、変な噂がたっても困るだろうしな。
「OK。俺はその条件でOKだ。ヒナも異存はねぇな」
「勿論。そんな生ぬるいだけのGUILDが欲しいなら、幾らでもくれてあげる。でも、そんな事をしても、世間に大恥を掻くのはアンタ達だよ」
「ぬかしとけや。その吐いた唾飲まん様にしとけよ」
「当然でしょ」
「ほな、これで俺等からの要望は終わりや。今度はオマエ等が勝ったら、俺等になにをさせたいねん?なんでも聞いたるさかい、言うてみぃや」
あぁ……あのセリフが言いたいなぁ~~~。
こう言う場面でしか言えない、あの崇秀、独特の言い回しが言いてぇなぁ。
あれを言うチャンスって、早々に巡ってこないしなぁ。
なんて考えていたら……
「別に、なにもして欲しくないんだけど。負けたのに、なにもされず、此処で大恥掻いて、世間の晒し者にでも成ったら」
「なっ……なんやと」
言いやがったよ。
今の俺が一番言いたかったセリフを、なんの躊躇もなく、アッサリ言いやがったよ。
まぁ、心のどこかでは言うんじゃないか?とは思ってたんだが。
『ヤッパリ、ヒナと崇秀は、同キャラなんだな』って認識させられる一言だったな。
こう言う性格の悪い事を、アイツも平然と言うもんな。
流石、コッチの世界の魔王であらせられる魔皇女様だ!!
(↑崇秀が『魔王』だから、ヒナに付けた渾名)
「だ・か・ら、なにもイラナイって言ってんの。聞こえなかったの?大体にして、勝負にも成らない相手に勝っても、勝ったとは言わないしね。私達が恐れるのは、嶋田さん1人だけなんだからさ」
「「「「なっ!!」」」」
「フッ……」
「ねぇ、そうでしょ真琴。真琴も、そう思わない?」
「確かにそうだな。このメンツじゃ、嶋田さん以外は、誰も怖くねぇな。それに、そんな敗者から得るもんなんぞ、なんもねぇしな。ホント、なにもして欲しい事なんざねぇわ」
「だよね」
煽る煽る。
最初に向こうが『脱退して譲渡しろ』とか、一方的な舐めた条件を出して煽って来てるんだから。
コッチも、それに匹敵する様な煽りで対応してやるよ。
敗北条件で『負けたのに何もされない』っと言う、地上最大の屈辱を味わいやがれ。
ただなぁ……これやるとなぁ。
あの人が、絶対に黙ってない様な気がするから、俺としては少々不安がない訳でもないんだがな。
きっと、あの人は腸が煮えくり返ってるだろうなぁ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
相手が必死に条件提示をしてきた所に、こちら側の提案として【負けた上に、何もされずにステージ上で晒し者にする】っと言い切るヒナちゃん。
うん……ヒナちゃんも考える事がエグイですね(笑)
まぁでも、これ位の度量がないと、サイトの運営なんて出来ないのかもしれませんがね。
さてさて、そんな中。
こうやって2人で、相手を煽り散らかす、倉津君とヒナちゃんなのですが。
この行為をしながらも倉津君には、なにやら不安要素があるみたいなのですが、一体、それは何なんでしょうか?
次回は、それを込みでライブを開始したいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!