椿は要の家に来ていた。そして、部屋の片隅にクリケットバッドがおいてあるのを見て、椿が要にクリケットの本当はやりたいのか?と問いかける。
〈要〉考えとくわ
と、そこに扉の隙間からちらっと顔が見える。
〈要〉ん?
〈椿〉どうした?要?
〈要〉ちょっとまって
と、扉を開けると、無精髭の長身のガタイのいいおっさんが出てきた。
しかも灰色の着物を来ていた。その中に赤い金魚が4匹描かれている。
〈要〉なにしとん?おとう?
〈椿〉え!?お父さん?
〈睦〉おい!要!そいつだれだ?
〈要〉友達や!
〈睦〉そうか…… じゃあがんばってな
と、睦は消えた。
〈椿〉変わったお父さんだな
〈要〉まあな
すると、また睦がやってくる。
〈睦〉ごめんそわせ~!
と、2つのお茶を持ってきた。
〈要〉あ、ありがとう
〈椿〉ありがとうございます
〈睦〉ところで…… いつ結婚するんだい?
〈要〉なにいっとんねん!あほ!結婚…… いや!付き合ってもないわ!
〈椿〉な、ななななな!
と、椿は慌てる。
〈睦〉なんだ、そうなのか?悪いぬ!あいや!じゃました!
と、消えてしまった。
〈椿〉すげーな
と、お茶と一緒にお盆の上にはウンベラータの葉が一枚乗っていた。
〈椿〉これなんだ?
〈要〉ああ、これな。ウンベラータっていう観葉植物の葉っぱやで
〈椿〉へぇー、…… そういえばあの人とても造花とか花を作ってる人にはみえないな
〈要〉あかん、言わんといてや。またあのあほがくるで
と、そこに睦がやってくる。
〈睦〉あいや!待たせた!
〈要〉まってないわ!で?なんなん?
〈睦〉いや、ウンベラータの声が聴こえたのでね
〈要〉勘違いやろ?
〈睦〉じゃあ、そこにある葉はなにかな?要、お前はわかるよな?おれが仕込んだからな。はははは!!!それに、なぜこのお店がウンベラータか……
〈要〉くっそ!おやじ、でてけ!
と、要につまみ出された。
〈要〉ごめんな!椿!
〈椿〉いいよ、面白いし
〈要〉おまえ、ああいうタイプ好きやもんな
〈椿〉はははは!
一瞬だが、睦は最後つまみ出される瞬間、店のウンベラータという名前について話そうとしていた。
椿はきになっていた。
ー 55 umbellata編3 葉 ー 続く
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