****『恋する心は荒れもよう』****
「すごい。本当にすごい。称賛するのがアン。されるのがオタクら」
ありがとうございますと、勝鬨を終えて、心身ともにヘロヘロになった僕たちは砂浜に腰を落としました。アンが、拍手をする仕草。可愛いですね。愛おしいですね。
「楽しかったなぁ」
余韻に浸るひとつちゃんと。
「ほー」緊張の糸が切れて、仰ぎ惚ける一華さん。
彼女らをしり目に、僕はアンとの会話を続けます。
「まず初めに。強くなる、強くなれるのがオタクら。保証するのは間違いない。認めてやろうなのがアン。それを踏んだ上から《わからない》。どうしてイチカ、現れた?」
やはりソレを訪ねますか。当然ですね。アン視点からすれば、《殺したはずの一華さんが突然生き返って。唐突に目の前に現れた》のですから。気になりますよね。死にきれないですよね。
今回の勝鬨、ルールはサドンデス。一度殺したらリスポーンできるはずがない。だからこそ、わからないのが意味、と、アンは唱えているのです。
「初めから、順を追って説明しますね」
僕はアンに、僕と、一華さんと、そしてひとつちゃんの異能力のあらましを伝えました。
「勝鬨開始時、ひとつちゃんの持っていた手札がこちらです」
ひとつちゃんにカードを表示してもらいます。例外的な『№1』を除いて、上から順に──。
『№10 文福茶釜。リターン:対象の体の一部を変化させる。リスク:変化の内容が自身の趣味になる』
『№16 糸車。リターン:自身が受けたリスクを、対象にも付与することができる。リスク:選んだ対象に手作りのマフラーをプレゼン
トしなければならない(一年以内)』
『№18 狸寝入り。リターン:味方を仮死状態にする。リスク:受けた味方が、二日間眠られなくなる』
『№19 誰彼噂(ハクション)。リターン:対象にくしゃみをさせる。回数はランダム。リスク:その日のうちに、絶対に噂話される』
「以上です。僕は初めに《文福茶釜》を使用、アンにウサギの尻尾をつけました」
おそらく尾てい骨が、尻尾に変化したのでしょう。
「密かに気に入っていたのがアレ」
消えたのが残念です。
「それにより《最初の切り札》が他のカードに置き換わり。さらに《文福茶釜》を使用したことで、四枚になった手札から一枚ドローする形で、新たに二枚のカードが加わりました」
『№17 腹鼓。リターン:囃子の音を奏で、味方の気力を上げる。リスク:お腹いっぱいになり、二日間はご飯が食べられなくなる』
『№5 イッチーのバチバチ。リターン:勝鬨終了まで、いちかに任意のタイミングで出し消しできる太鼓ばちを付与する。いちかの異能に攻撃力を低倍率増加。リスク:いちかは自身の気持ちに正直にならなければいけない』
「このうち《誰彼噂》と、《腹鼓》、《イッチーのバチバチ》は戦闘に使用しましたね」
すべて、一華さんのサポートに回したカードです。
「イチカ、強かった。気に入るのナオカズと同じ」
「嫌われているのがアタシー」
「一華さんが殺された。《殺した》とアンが認識したタイミングで、僕は手札を、アンに公開しました。覚えていますか」
「あたぼうなのがよ」
『№16 糸車 以下同文』
『№20 幽体同離脱。リターン:対象を三十秒間透明にさせる。リスク:対象は三十秒間攻撃できない』
『№21 三位三体。リターン:任意のカードの効果が三倍になる。リスク:選んだカードの効果が発動されない』
『№30 起死回死。リターン:死にかけている人と、自身の状態を入れ替える。リスク:死にかけること』
『№32 お手。リターン:相手にお手させる。リスク:効果発動中、仲間は攻撃できない』
「なにか、おかしいと感じる点はありませんか?」
「そういうことだったのがなるほど」
どうやら、察しがいったようですね。ならば、得心をもくれてやりましょう。
「戦闘開始時にもっていた手札を思い返してください」
「ウチもわかったぞ。最終局面において、《糸車》しか勝鬨開始時のカードが残っていないんだ」
「ほかにもあってしかるべきなのにねー、あともう一枚」
「《狸寝入り》だと思うのがアン」
ご名答。終盤戦において、初期の持ち札、《狸寝入り》のカードが残っていないということは、どこかで《使用》したということ。
「ウチが、撃ち殺される瞬間か……」
僕は、なんとか一華さんを救おうと、無駄な抵抗と分かっていながらも、カードを使用しました。とっさに指勘で発動したカードですが、なんとも不幸なことに、一華さんをさらに《延命》させてしまう結果となったのです。楽に殺させず、されど《生かす》こともありませんでした──。
『№17 狸寝入り。リターン:味方を仮死状態にする』
本来、死んでしかるべきだった一華さんを、《狸寝入り》が首の皮一枚つなげたのです。奇跡と呼ぶのにふさわしいその現象は、おそらく、タイミングの。紙一重の問題だったのです。
カードの使用が速すぎた場合、仮死状態→ 銃撃→ 死亡。
カードの使用が遅すぎた場合、銃撃→ 死亡→仮死も糞もない。
ならば、カードの使用タイミングが絶妙であったのならば、銃撃→ 仮死状態→ 《何になる?》。
今回の事例において、アンは一華さんの《胸》を射抜きました。つまり、《撃たれてから死ぬまで》に、ほんの数舜、《ラグ》があったのです。その《ラグ》に、《狸寝入り》が発動することで、死が仮死に上書きされた、というのが、事の顛末だったのですね。
はてなの答えは、銃撃→ 仮死状態→ 状態維持。僕のほうが、一華さんよりも音ゲーに向いていそう。
「倒れていた一華さんの身体は死体ではなく、冬眠中の動物。あるいはコールドスリープ中のキャップのような、《仮死》体だったというわけなのです」
もちろん、あのまま放置していれば、心臓の停止以前の問題、出血多量で一華さんは死んでいたことでしょう。だからこそAIは、短期決戦に持ち込んだのです。
「その《忌跡》、実はアンフェアなものじゃなかったよん。アンだって気づけたはずなのさ。ヒントはたしかに、あの戦場にあったのだから。『天国と地獄』が、流れ続けていたこととかね」
一華さんが退場したのにもかかわらず、ファンファーレが止むことはなかった。
「……わかったのがロジック。わからないのがフィナーレ」
どうして一華さんは《突然》あらわれたのか。
「こちらの方は簡単ですよ。『№20 幽体同離脱』の効果があったからです。僕はあの時、仮死状態だった一華さんに、三十秒間《透明》になる効果を付与したのです」
「ちがう」
「もちろん、隠遁を隠蔽するための策も講じました。アンはあの時、《幽体同離脱》を使用したのに、透明にならなかった僕達を見て、《三位三体》の能力で無効化されたからだと勘違いしましたよね。あれは一華さんの透明化をごまかすためのミスリードだったのです。三位三体で無効化したのは、《幽体同離脱》でもなんでもなくて、ただの《デッキ中》のカードだったんですよ。《手札の中で》、という縛りはありませんからね」
「ちがう」
「そこにきて『№30 起死回死』の発動です。《死にかけている人と、自身の状態を入れ替える》。仮死状態の一華さんと、生きている僕の状態を《入れ替えた》のです。と同時に、《幽体同離脱》の効果が、三十秒の経過とともに失われた。するとあら不思議、殺したはずの一華さんが、元気溌剌に生き返り、《唐突》に現れちゃったぜというトリックなわけです」
「ちがう」
「最後の追い上げ。満を持して『№16 糸車』の発動です。自身の受けた《リスク》を敵にも付与する。自身が受けた《死にかけた!》を、アンにも貸し付けた。死に体のアンは、一華さんに反応できない。これらの《式》により、あの状況は完成したというわけなのです」
「ちがう。そうじゃない。自慢げに語るな。聞きたいのがアン。どうしてイチカは、《いきなり生き返ったのにも関わらず、戦えた》。それに、それに──」
どうして仮死状態であったはずなのに、一華さんはすぐさま拳を振るえたのか。どうして仮死状態であったはずなのに、アンの目の前にまで《移動》できていたのか。どうして仮死状態であったはずなのに、一華さんは《嫁狐》のための《コンボ》を稼げていたのか。その答えは、一華さん本人に聞くとしましょう──。
「気合で」
よく馬鹿にされる、よく人に否定される、その《根性論》。まみえるだけで拒絶したくなる滅茶苦茶。僕自身がそれを否定し、ひとつちゃんの《物理》に救われた《不幸》への返答。
僕達は《ゲーム》に依存することで、《不幸》を無視するスベを得た。一華さんだって、その例にもれず、太鼓の超人に依存していたじゃないか、と言われてしまうかもしれない。
でも、彼女のは《殺人衝動》を抑えるための《ストレス発散》方法でしかなく。不幸に対抗するための《手段》では、断じてなかったのです。
つまりです。一華さんは、自身の不幸を。理不尽を──、《ぶん殴る》ことで、ねじ伏せてきたのです。
そんな彼女が、たかが《死にかけた》程度のことで、振り上げた拳の行き場を、見失うはずがない。
「化け物なのは、オタクら」
「あぁ、そうだとも。ウチらは十二分に化け物ぞろいだ」
「アタシ達はやればできる子なんだぜー。やれてもできても不幸なだけでー」
「だからこそ、そんな僕らは問うのです」
明日部の声を、届けます──。
「「「聞きたいのはこっちだ!」」」
どうしてそんな僕達が。あれほどまでに、《カッコいい》逆転劇を演じた僕たちが。
「明日部が、なぜアンに、負かされているのですか!」
明日部VSアン。勝利の女神はどうやらアンにこそ心酔なさっているようで。勝鬨のウィナーは、アンなのでした。
「アン、強いから」
根性論よりもたちの悪い。それは強者の弁論でした。強制的に《納得》させられる、暴力。
「アン、ハンドガンで《縛ってた》。それと、ずっと、《一丁》の銃で、戦ってた」
その言葉を聞き、僕はすべてを察します。たしかにアンは、《ハンドガン縛り》という制約を自身の異能に課すことで、強力な《思いの弾丸》や《記憶の弾丸》を駆使していたわけですが。
今回の勝鬨において、アンはそのほとんどを《一丁》の銃だけで戦っていました。《一丁縛り》を、しなければいけないわけでもないのに──。
「別に一丁なのは見くびりるじゃない。ブラフ。《一丁しかもっていない》と、思わせるための」
戦闘中、アンは何度も、《リロード》するシーンを、僕達に見せつけていました。ひとつちゃんが目視のみで覚えてしまえるほどに、わざわざ。
それこそが、僕達に一丁しかもっていないと思い込ませるための、布石であったわけですね。
「あったのがヒント。《左手も使える》と、いっていたはずなのがアン」
「ぐぬぬ……」
ひとつちゃんが煽り返されています。ウケますね。
そして、その通りなのです。アンの弾丸は《思い》の弾丸。当たればいいなの思いが届く。なら、慣れているかいないかに関わらず。利き手かどうかも関係なく。トリガーを引くだけで、弾丸は敵を射抜くことが出来るのです。ならばこそ、《両手もち》にしないメリットは皆無。
「両手がふさがるの、結構隙ある。でもやっぱり、強いの超。一瞬で、複数の敵を殺れるから」
「王手をかけていたのは僕達ではなく、アンだったわけですか」
「チェックメイト、いい気持ち」
両手の銃を、クルクル回すアン。
最後の最後、一華さんがトドメの一撃を行使するという、もっとも自衛に気が廻らないそのさなか、アンは第二の銃を取り出すことで、僕らから勝を撃ち取ったのです。最善のタイミングで、ブラフの効果を最大限に活かした妙技、というわけですね。
なにせ僕達は、死んだと認識することすらできずに、眉間を撃ち抜かれていたのですから。完全に虚を突かれてしまった。
アンは格上。僕らはその《差》を、これでもかと思い知らされたのです。
「強くなりたい」
強くならねば。
僕と一華さんの思考が重なります。
完敗です。すがすがしい程に、悔しさを受け入れることが出来ました。
──勝者 アン。明日部の所有する251ポイントが、アンに譲渡されます──。
アナウンスの声と共に、頭上の数字がアンに移行し、僕達三人は0。アンは千の大台を突破。
──これを持ちまして、チュートリアルを終了します。報酬として、参加したプレイヤー全員に、それぞれ1ポイントずつ配布いたします──
どういたしまして。アンと明日部、全員にポイントが加算されました。チュートリアルは、双方にとって、メリットのあるよいイベントだったというわけですか。《初戦でいきなり、オールイン》するようなプレイヤーでなければ、ありがたいシステムだったわけですね。
「おいおいアン。勝ち逃げはズルいんじゃないのかな? もう一戦、やっとかない?」
「四百倍のハンデを背負って、オタクらと戦うの、さすがにしんどいのがアン。帰りたいのが眠たいの。重い重いなのが瞼。でも、いつかやる。どんなハンデがあっても、《勝つ》のはアン」
「約束ね♪」
──プレイヤー名アン、千ポイント突破おめでとうございます。報酬として、《二つ名》を他のプレイヤーに命名される権利を授けます──。
どうやらこのアナウンス、アスアヴニールにいる全プレイヤーに告知されたようで。当然僕らの耳にも届きました。
「二つ名とはなんですか?」
「教えていなかったのがアン。1000ポイント越えを達成したプレイヤー。誰かにもらえるのが《異名》。強いプレイヤーであることの《証明》。馬鹿でも見える服。………………、ナオカズ、アンに二つ名、つけてほしい」
「ほぇ?」
「アンの二つ名、考えて」
鬼気迫る表情で僕に近づいてくるアン。両手を握り、顔を近づけて、懇願してきたのです。おとす気ですか? 僕の心を。
「名付け親になってと、アンはいっているんだね。ナオ君、頼まれたのだから断るのは不躾だ」
「本当に僕なんかが決めてしまってもよいのですか?」と尋ねます。
「お願い」
どうしてそこまで、アンが僕にこだわるのかは分かりませんが。ならば了解です。
「承りました。さすがに今すぐにとはいきませんが、また会った時にでも」
「わかった」
僕はアンと握手をすることで、約束を結びます。ひとつちゃんとの再戦、僕との再会。明日部とアンという少女は、嫌がおうでも、交わることになる運命を辿るのですね。楽しみです。
「最後にアン、聞くのナオカズに。どうしてナオカズ、《怒って》た?」
最初の質問に戻ります。僕はもう、その答えを持っています。
「僕は、弱い僕自身に、《怒って》いたのです」
「それは違う」
語らいの出鼻を挫かれました。二の句も告げられない僕に、アンが証左を語ります。
「ナオカズ、これまでただの人間。アンや、イチカと違う。《力》に固執していない、ただの子供。そんな子が、弱いの《義憤》、いきなりメラメラ?」
弱い自分にふがいない思いをするのは分かる。目の前で、大切な人の命が危ぶまれたのですから、当然です。彼女らを胸張って守れるほどの強さが、僕は欲しかった。だけれど、あの《怒り》の熱量としては、その理由はやや弱い。アンは僕に、そう言っているのです。
「ナオカズ、アンに近い。だから、ほんのちょっとだけ、わかるの。ナオカズの《怒り》はたぶん、アンや、ナオカズ自身に対するものですらなく。《世界》に対する、怒り?」
世界。突飛なその言に。しかし僕は、《ありえない》と無下に払うことが、できないでいました。無視しえない存在感が、重苦しく、胸の奥に沈殿していたのです。
「ごめん、適当いった。忘れるの、この言葉」
「そんなことは……」
「じゃ、仕事も終わったし、帰るのがアン。あの森を西へ真っすぐ抜けると、プレイヤーが沢山集まる街がある。そこに行けば、この世界のこと、いろいろわかる。行ってみればいい」
良い情報を得られました。ありがとうございますとお辞儀。
「またね」と手を小さく振るアン。
「バイバーイ」
「さようなら」
「またいつか、会いましょう」
不運なことに呼んでしまったヤバい奴。不運なことに仲良くなってしまいそう。
一度僕達に背を向けたアンは。それでも何か大切なことを思い出したかのように、シュッと振り返りました。
そして、僕達は目を見開くのです。なぜなら、能のような仏頂面をひっさげていたアンが、この日初めて、《女の子》らしい表情を浮かべていたのですから。
赤く両頬を火照らせ、困ったようにうつむく可愛すぎるアンは、最後に一言。
「ナオカズ。イチカ。…………ついでにヒトツも。アンとみんな、もう友達?」
「あ、あ、あ、あたりまえですよ!」
「うれしい」
そういったアンは、ものすごいスピードで砂浜を駆けていきました。僕達は一言も声を発することが出来ずに、呼吸すら忘れ、離れていくアンの背中を、目で追うのです。
ずっと、ずっと──。
鼓動が全身に響きます。拍動が心を揺らします。こ、これは、マズいですよ……。
「もしかしてアタシら、初めての友達できちゃった!?」
明日部のメンツは、友達だなんて言葉で片づけられるほど、奇麗な関係ではありません。僕も、ひとつちゃんも、そして一華さんも。《家族》に対するトラウマを抱える人たちであり。だからこそ、明日部は《家族》以上の繋がりを求めているのですから。生々しいほどにもつれ合った、《狂依存》なのですから。
友達でも、親友でも、ましてや家族ですらなく。明日部は《片割れ》なのです。欠けることの許されない、一蓮托生の輩。つまり明日部のメンツは、《友達》が一人もいないのです。いなかったのです。
そんな僕達だからこそ、アンの純粋無垢な言葉が。とてつもなく、《嬉しかった》。アンがどんな子で、どんな風に笑うのか。僕達はまだ、彼女のことをなにも知っちゃいない。だけれど確かに、知りたいと、そう思ったのですから。僕達はこの関係を、《友達》と呼ぶのです。
「惚れた」
「惚れちゃったよ」
「惚れました」
惚れっぽいのが僕達です。
初恋の相手が決まりましたね。僕達全員、恋敵という名のライバルです。
そして、もっとも《目をつけられてはいけない》集団に、気に入られたのがアンなのでしょう。粘着質ですよ、僕達は。
波乱万丈避けること叶わず。荒れもようなのが《人生》です!
登場人物の異能力詳細。
【八十八か所巡り】
使用者:天目一。 ジャンル:トレーディングカードゲーム。
表のリスク、裏のリターン、二つの効果が得られる葉札を四十四枚使用することができる能力。
リスクとリターンの発動は同時に、かつ自動的に行なわれる。カードを発動してしまった時点で、リスクは任意不任意問わず、《必ず》背負わなければいけない。
葉札は常に五枚、手札として持っており、使用すれば随時、山札から補充される。
勝鬨参加者は全員リターンを認識することができるが、リスクはひとつが認めた人にしか視認できない。
以後、公開可能な能力の詳細。読まなくても問題ない。
『№1 最初の切り札 。リターン:このカードは勝鬨開始時に必ず手札となる。使用することで以後すべてのリスクが無効化される。№1以外のカードを使用すると、このカードの能力は失われ、別のカードに置き換わる』
『№2 盲目の魔眼。リターン:森羅万象を視認することができる魔眼を得る』
『№3 王様はロバの耳。リターン:あらゆる音域、微細な超音波に至るまで知覚することができる』
『№4 鼻炎持ちの像。リターン:この世全ての匂いを嗅ぎ分けることができる』
『№5 イッチーのバチバチ。リターン:勝鬨終了まで、いちかに任意のタイミングで出し消しできる太鼓ばちを付与する。いちかの異能に攻撃力を低倍率付加する。リスク:いちかは自身の気持ちに正直にならなければいけない』
『№6 狗神刑部』
『№7 寡黙な嘘つき。リターン:魔法、呪術、言語、ありとあらゆる言葉を使用することができる』
『№8 不死身の死体 。リターン:不死身となり、身体能力が強化される』
『№9 ナオ君の真っすぐ。リターン:誰とでも意思疎通ができる』
『№10 文福茶釜。リターン:対象の体の一部を変化させる。リスク:変化の内容が自身の趣味になる』
『№11 雷来楽々。リターン:高威力の雷撃を与える』
『№12 取らぬ狸の皮算用。リターン:今後の戦闘予測を高速演算』
『№13 カチカチ。リターン:対象に狸火を灯すことが出来る』
『№14 カラシ。リターン:あらゆる傷を癒す』
『№15 ドロブネ。リターン:対象を捕縛する』
『№16 糸車。リターン:自身が受けたリスクを、対象にも付与することができる。リスク:選んだ対象に手作りのマフラーをプレゼントしなければならない(一年以内)』
『№17 腹鼓。リターン:囃子の音を奏で、味方の気力を上げる。リスク:お腹いっぱいになり、二日間はご飯が食べられなくなる』
『№18 狸寝入り。リターン:味方を仮死状態にする。リスク:受けた味方が、二日間眠られなくなる』
『№19 誰彼噂。リターン:対象にくしゃみをさせる。回数はランダム。リスク:その日のうちに、絶対に噂話される』
『№20 幽体同離脱。リターン:対象を三十秒間透明にさせる。リスク:対象は三十秒間攻撃できない』
『№21 三位三体。リターン:任意のカードの効果が三倍になる。リスク:選んだカードの効果が発動されない』
『№22 ハンナの銃撃。リターン:対象を好きな距離吹飛ばせる』
『№23 青の傘。リターン:雷来楽々の威力があがる』
『№24 九十九の神。リターン:周囲のあらゆる物を武器とし攻撃できる』
『№25 刹那のバット。リターン:一瞬だけ防御力が高くなる』
『№26 鬼神の金棒。リターン:一瞬だけ攻撃力が高くなる』
『№27 華枯れど根死なず。リターン:一度きりの蘇生』
『№28 仕込ま杖。リターン:ポーカーフェイス』
『№29 泣く子も黙れ。リターン:一分間対象を黙らせることができる』
『№30 起死回死。リターン:死にかけている人と、自身の状態を入れ替える。リスク:死にかけること』
『№31 お座り。リターン:相手にお座りせる。
『№32 お手。リターン:相手にお手させる』
『№33 ふせ。リターン:相手にふせさせる』
『№34 まて。リターン:相手の行動を止める』
『№35 よし。リターン:必ず真っ向勝負ができる』
『№36 蒸気機関。リターン:五秒間だけ対象と同等の戦闘力になる』
『№37 狂気機関。リターン:あまねく理不尽に叛逆する技術を得る』
『№38 加速。リターン:あらゆるものの速度を上げる』
『№39 遅速。リターン:あらゆるものの速度を落とす』
『№40 痺。リターン:対象を痺れさせる』
『№41 睡眠。リターン:対象を眠らせる』
『№42 焔。リターン:火球を当てる』
『№43 烈火ノ如。リターン:対象の生命力を上げる』
『№44 最後の捨て札。リターン:一度だけリスクなしで能力を使用できる』
【シシリアンディフェンス】
使用者:アン。ジャンル:ファーストパーソンシューティング。(サバイバルモード)
自身の《思い》を具現化し、銃弾とする能力。《当たればいいな》と思うことで、狙いを定めなくとも補正がかかり精密な射撃が可能となる。ほかにも、《治ればいいな》や、《知ってほしいな》という思いも再現可能。
基本的にどんな思いも実現可能だが、強力すぎる思いはアスアヴニールによって抑制されるため、《死んでほしいな》などといった思いの顕現は不可能。
【虎狐嫁狐】
使用者:仇花一華。ジャンル:音楽ゲーム。
手で狐の顔を作ることで、狐の鼻先に半径一メートルほどのサークルを出現させる《虎狐》。
虎狐は物理的な障壁。衝撃を吸収することで、使用者にダメージが及ぶことを防いでいる。音楽ゲームの譜面が《叩け》と命じたタイミングでしか使用することは出来ないが、インパクトが虎狐の面に命中したのなら、どんな高威力の攻撃も防ぐことができる。
ただし、爆発などの範囲攻撃は巻き込まれてしまう。飽くまでも面で受けた場合のみでの防御。
《嫁狐》は虎狐で吸収した衝撃の割合カウンター。反撃倍率はおよそ五割、『イッチーのバチバチ』を使用、もしくはコンボを重ねれば七割に強化される。両方の上方補正を重ねがければ、九割となる。
嫁狐は虎狐を発動した後でなければ使用出来ず、虎狐使用後一コンボでも間が空けば行使は不可となる。虎狐を連続で使用し、吸収したダメージを蓄積することも可能だが、それは攻撃力の《融合》ではない。
つまり、銃撃二発のダメージを蓄積することは可能だが、反撃に銃撃二発分の威力があるわけではなく。銃撃一発と銃撃一発の二射撃を返すイメージに近い。1+1=2で返すのではなく。1と1の二連攻撃。
蓄積したダメージにおいても、一度のコンボミスで帳消しとなるため、直一が感じているほど、この能力は強力でない。
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