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留菜マナ
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第五百四十四話 伝説の武器③

公開日時: 2024年12月30日(月) 16:30
文字数:1,119

「喰らえ!」

「ーーっ!」


さらに奏良が放った更なる銃弾の嵐が、『レギオン』のギルドメンバー達の動きを阻害した。


「プラネットちゃん、モンスターの動きを止めて!」

「お任せください!」


声に呼応するように、花音達をブラインドして近づいていたプラネットが、モンスター達にとっては死角から現れる。


「逃がしません!」


プラネットは吹っ切れた言葉ともに、両拳を花音の攻撃から逃れたモンスター達に叩きつけた。

それと同時に高濃度のプラズマが走り、爆音が響き渡る。

しかし、それはモンスター達の動きを止めただけで倒すには至らない。

だが……。


「それに伝説の武器は、『アルティメット・ハーヴェスト』もーーイリスも持っているからな」

「徹様!」


徹の声に呼応するように、イリスはすかさず徹の加勢に向かう。

躍動する闇と槍の光が入り乱れる戦場を、イリスは凄まじい速度で上空から駆ける。

彼女の繰り出す斬撃は早く鋭く、望達を包囲しているモンスター達を切り裂いていく。

その隙に、望達は『レギオン』のギルドホームにたどり着いた。


「ここからは、お兄ちゃんが事前に用意したアイテムで虚を突くよ」

「……っ」


花音の放った氷属性の飛礫アイテムが、次々と『レギオン』のギルドメンバー達とモンスター達へと叩きつけられていく。

モンスター達が退く中。

これに対して、『レギオン』のギルドメンバー達は攻撃を避けながらも、行く手を阻むように防御を固めた。


「俺も加勢をしないとな」


徹がそう告げたその瞬間、背中に不穏な気配を感じ取る。

徹は振り返ることはせずに、ただ一言、言葉を発した。


『ーー我が声に従え、光龍、ブラッド・ヴェイン!』

「ーーっ!」


今まさに、背後から徹に襲い掛かろうとしていた騎士風の青年ーー賢は、突如、目の前に現れた光龍の咆哮によってそれを防がれてしまう。

金色の光を身に纏った四肢を持つ光龍。

巨躯の光龍は、主である徹に危害を加えようとした賢を睥睨した。

徹が呼び出した光龍は、さらに身体を捻らせて賢に迫る。


「くっ」


剣を防がれたのが予想外だったのか、賢は体勢を立て直すこともできずにまともに喰らう。

しかし、光龍の更なる追撃は、駆けつけた別のプレイヤー達によって防がれてしまった。


「なっ!」


鋭く声を飛ばした徹は、ギルドホームの奥から次々と迫ってくるプレイヤー達の存在に気づいた。

全員がレア装備を身につけ、それぞれの武器を徹達に突きつけてくる。


このまま、ここで戦うのはまずいなーー。


徹の頭の中で警鐘が鳴る。

賢の周囲には、幾人もの『レギオン』のギルドメンバー達がいた。

そして、次々と壁を作るように後続が現れる。

相手は、騎士団に等しい。

それらを相手に戦い、『レギオン』のギルドホームに突入するのは骨が折れるだろう。

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