「では、本気で。」
アダンが足を開いて腰を落とす。
おそらく、あの攻撃は。
「中位魔法:【エンロード】」
一撃で決めに来ている。最初からアダン最強の技だ。
しかし、ミゲルの目はしっかりと炎を見ている。
「下位魔法:【小璧】」
炎の波が、ミゲルを襲う。ミゲルの姿は炎の中に消えた。
「少し、やりすぎたかのう。」
アダンが笑う。
さすがに容赦なさすぎだろ。主席の力か。
ミゲルの無事が確認できない。
「ミゲル!」
応答がない。炎の中はどうなってる!
消えていく炎。倒れているミゲルが見えた。
「ミゲル!おい!」
返事がない。服もかなり燃えている。
だがかすかに動いているのが見えた。
「ほう、まだ動けるか。では、トドメをささねばな。」
「やめろアダン!」
審判が叫ぶ。
「中位魔法:【エンロード】」
しかし、お構いなく再び炎が飛ぶ。
倒れているミゲルを炎の海が飲み込んだ。
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