「え、ミーサが最強の魔法使い?」
戸惑いが全身から溢れ出す。
「そうよ。隠してた訳じゃないんだけどね。」
いたずらな顔をする。
確かに俺から職業聞いてないな。
「さ、そうと決まれば早速特訓に行きましょう!」
ミーサは意外と人を引っ張っていく力がある。俺も見習いたいものだ。
「でも、特訓ってどこに?」
「それは着いてからのお楽しみ!その前に魔法について説明するわね。」
そうだな。ともかく魔法力は0なのだが、知識がなければ何も始まらないしな。
「魔法には炎•氷•水•風•雷の5つあって、1人に1つ与えられるわ。ちなみに私は水の魔法が使える。」
ミーサが歩きながら右の手のひらを前に出す。すると手が光り輝き、野球ボールほどの水の玉が現れた。
「この水の玉を前に弾き出すと【小水】という下位魔法になるの。呪文は下位•中位•上位•最上位魔法の4つに分類されているわ。」
これが魔法か..
初めて見るが、一体どうなっているんだ?
てか、魔法力0の俺に本当に使えるようになるのだろうか。
「試験までに下位魔法くらいはできるようになって欲しいんだけどなぁ。ステータスに書いてあるはずの属性が、魁斗には無かったし、魔法力も0だし..」
ミーサがうーん、と手をあごに当てて考える。
なんか、ご迷惑かけて申し訳ねぇです。
「まぁ、とにかくやってみないことには始まらないよね!」
そう言いながら、ミーサが前方を指差す。
その指の先には、大きな門。その奥に壮大な庭が広がっており、その中にでかいでかい屋敷があるのが見えた。
「あそこが私の家なの!さ、中で特訓を始めましょうか!」
甲高い声すら出なかった。
ここから、地獄の時間が始まることになろうとは。
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