「おめでとう、アダン。」
王から直々の言葉。だが、アダンは納得いっていないようだった。
マアル戦での瀑氷、決勝でのミストーションを使わないクローカー。
実力で勝った気がしないのだろう。
「ありがとう、ございます。」
それでも渋々王からトロフィーを受け取った。
「皆の者、ご苦労であった。1、2軍は明日改めて発表する。今日はゆっくり休んでくれ。」
王の一言で壮絶だったトーナメントは幕を閉じた。ひどく、ひどく長い1日だった。
「飯、行かないか?」
ミゲルの一声で、アリサと3人で山盛りばあちゃんのもとへ向かった。
「俺は2軍だよな〜。」
ミゲルが悔しそうに言う。
「そんなのわからないじゃない!魔法を消すやつ、すごかったし!」
アリサの言う通りだ。
2軍というなら、俺だ。1回戦はただのアルフレッドの棄権。実力が認められるわけじゃないだろう。
2回戦は瞬殺だったし。
「どうしたんだい暗い顔して!たんと食べな!」
ばあちゃんの明るい声。ほんと励まされるな。
緊張を料理で流し込み、またも腹がはち切れるほど食べながら夜は更けていった。
翌日8時。
再び城に集められた兵士たち。
みんなのその顔は、分かりやすく緊張を表していた。
なんだか合格発表の時を思い出すな。
全員集まったことを確認し、ルービット王登場した。
今回は、王が直々に発表するようだ。
「では、今から1軍として活躍してもらう者の名前を読み上げる!1人目にーー」
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