俺の職業、「剣」闘士じゃなくて「拳」闘士!?

~誤字ってて気付かなかったけど、剣で最弱だった俺が拳では最強だった件~
白野 ケイ
白野 ケイ

黒い模様

公開日時: 2022年3月21日(月) 21:12
文字数:944

アルフレッドと戦うことになったからには、来週までに出来ることを全てするしかない。

すぐに頭をよぎったのはアレクとの特訓だった。

 

しかし、

 

「申し訳ありません。私も審査に加わるので、参加者との接触は禁止されているんですよ。」

 

絶望の返答。

どうしたものか。もう時間がないってのに。

 

「魁斗はアルフレッドとだろ?大変だな。」

 

ミゲルが後ろから声をかけてくる。そういえば自分のことに精一杯で、周りのカード見てなかったな。

 

「ほんとしんどいよ。ミゲルは?」

 

「アダン。」

 

「oh..」

 

ミゲルも主席との戦いか。こりゃきついぞ。

 

「でさ、魁斗がよければなんだけど、一緒に特訓しないか?」

 

思いがけない誘い。だが…

 

「俺めちゃくちゃ弱いし魔法も使えないからさ。相手にならないんじゃ。」

 

アレクしか頼れなかった理由がこれだ。

弱すぎる相手と組んだところで、いい迷惑だろう。

 

「じゃあ、私も混ぜてくれるかしら。初戦だから緊張してるのよ。」

 

明るい表情で手を振っていたのはアリサだった。

3人でやるとなれば迷惑もかけないだろう。本当に助かる。

 

「アリサ、相手は?」

 

「シューバートよ。あのウーラ信者。」

 

シューバートか。知識も豊富そうだったし、相当手ごわいだろうな。

 

「じゃあさ、俺が泊ってるとこ来なよ。でかい地下競技場があるんだ。」

 

2人をミーサの屋敷に招待した。

最初は驚いていた2人も、特訓が始まれば真剣そのものだ。

 

ミゲルは防御力、アリサは素早さのステータスが7000近くあるらしく俺では全く歯が立たない。

 

2人にはステータスを見せたが、とんでもなく気まずい顔されたなぁ。

 

「特訓お疲れ様!お風呂入っておいで!ご飯も食べていくといいわ。」

 

どことなく嬉しそうなミーサが楽しそうに呼びかける。

初めて子どもが友達連れてきた時のお母さんじゃないんだから。

 

「よし、じゃあ魁斗一緒に風呂入ろうぜ。」

 

誰かと一緒に入るなんていつぶりだろうか。

なんだかちょっと恥ずかしい。

 

頭を洗っている時だった。

 

「これ、アザか?」

 

ミゲルが俺の左わき腹を見て言う。

アザ?特訓している時に怪我でもしたかな。

 

鏡越しに自分のわき腹を見ると、直径5センチほどの入れ墨のようなものが入っていた。

 

黒い刀が2本、交差している模様だった。

 

「なんだこれ..」

 

自分の体なのに初めての発見で、困惑を隠せなかった。

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