マアルが勝利したことに会場がざわつく。
コーレーの回復が優先されるが、マアルもへたりとその場に膝をついた。
無理もない、あれだけの魔法を使ったのだから。
「お兄様いなくて大丈夫〜?」
「あなたくらい、1人で大丈夫よ。」
次の対戦のヘラとエヴァが言い合いを始めている。
アクオール兄妹、2人ともケンカしてんじゃん。
アクオールの血が負けん気なのか、たまたま相手が悪いのか。まぁ後者か。
「さっさと始めましょ、おばさま。」
「は?なんて?」
やっぱ前者かも。
戦いはなんというか、恐ろしいものになった。
お互い武器を使わず、ただのどつきあいが始まったのだ。
「武器使った方がいいんじゃない?」
「それはあなたでしょう?」
2人とも意地を張っているのだろう。
ヘラはイメージ通りといった感じだが、お嬢様風のエヴァがこんな殴り合いをするとは驚きだ。
勝負は思ったよりも早くついた。
近接勝負はやはり、エヴァに有利だったようで。
エヴァの蹴りをまともに食らったヘラがその場に倒れ込んだ。
「いったい!もうギブ!」
顔をパンパンに腫らしてヘラが叫んだ。
いいの?それで。
「やっぱり強いわねエヴァ。失礼な事言ってごめん。」
「魔法を使えばわからなかったのに。私の方こそごめんなさい。ヘラさん。」
「ネルでいいわ。」
固く握手をし、抱き合う2人。
なぜか拍手に包まれる会場。
2人が納得してるなら、これでいいか。
さて、と
5試合終わった。ということは。
「アルフレッド•フラム、秋宮魁斗、準備!」
声がかかる。
ついに出番だ。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!