俺の職業、「剣」闘士じゃなくて「拳」闘士!?

~誤字ってて気付かなかったけど、剣で最弱だった俺が拳では最強だった件~
白野 ケイ
白野 ケイ

今期合格者

公開日時: 2022年3月13日(日) 20:00
文字数:1,682

アレクの緊張感の無さに、一同呆然とする。

命かかってんのに、こんな感じで大丈夫か?

 

「すまないな、やっぱり自己紹介は聞いとかないと不便だし。じゃあ、魔法使い首席評価のアダンから頼む。」

 

主席か。

今回魔法使いで最も優れていた人物。確かに気になる。

男が1人、すっと手を上げる。

 

「わしがアダン・ベスキートです。属性は炎。よろしゅうなぁ。」

 

身長2メートル、体重100キロは超えているだろう巨体のたらこ唇男が自己紹介した。

わしって何歳なんだこの人。40代くらいに見えるぞ。どう見ても戦士だろ。

 

「年齢は18です。」

 

みんなの視線で察したのか、アダンが言った。

一個上!?冗談だろ。

 

「私はヘラ・アークネル。24歳よ。属性は雷。よろしく。」

 

自己紹介が続く。

いかにも気の強いお姉さんって感じ。長い髪がきれいだ。

 

「えと、私はま、アイネ・マアル、です。よ、よろしくお願いします。16歳です。氷属性です。」

 

おどおどした黒髪ぱっつんの女の子。戦闘向いてるか?ちょっと心配になるが..

 

「俺はシューバート・カイン16歳よろしく!ウーラさんと同じ風属性!ウーラさんに憧れて試験を受けました!」

 

茶髪の元気な青年。ウーラに憧れて、か。そういう動機もあるのか。

これで4人の魔法使いの自己紹介が終わった。

 

「それでは、次は戦士の首席、アルフレッドから頼む。」

 

戦士の首席はおそらく..

 

「アルフレッド・フラム。15歳炎。どうも。」

 

赤髪の少年の少年だ。やはり主席評価だったか。

アルフレッド..と小さくアレクがつぶやいた。

 

「カイバ・ミゲル17歳!よろしく!属性は雷で盾も使います!よろしく!」

 

ミゲルはいつも通り元気だ。よろしく多いな。

 

「セトラ・アリサ17歳。弓を使います。属性は氷です。よろしくお願いします。」

 

アリサの次はあのグネグネ頭だった。

 

「はぁ、クローカー・オスク。」

 

クローカーは気だるそうにそれだけ言った。

 

「あたしはコーレー・ピーロー!生粋のエンターテイナーよん!風をあつかうわん!年齢は秘密!よろしくねん!」

 

うお、黄緑色のアフロおかまだ..

なんか怖いし、あまり関わらないようにしよう。30代くらいに見えるがどうだろう。

 

 

「私はアクオール・エヴァ。属性は水の16歳です。よろしくお願いします。」

 

真面目なお嬢様、といった印象だ。黒髪ロングに姫カットだが、ところどころ髪が青くなっている。

 

「俺はアクオール・ノヴァ。同じく属性は水。17歳だ。よろしく。」

 

ん?アクオール?

この世界もはじめに苗字がくるから、同じ苗字ってこと?

 

「俺とエヴァは兄妹なんで。」

 

ノヴァが付け足した。

なるほど、確かにノヴァも黒髪だがところどころ青い。

兄妹で同時に入隊ってすごいな。

 

これで、正規の合格者7名の自己紹介が終了した。

当然だが、全員強いのだろう。

 

「今回、合格した戦士は7名だが、もう1人特別枠として入隊した。魁斗、自己紹介を。」

 

いつもは敬語で話すから、なんだか違和感があるな。

 

「えと、今回特別に入隊させてもらった秋宮魁斗です。17歳です。魔法は、その、全く使えません。俺に何ができるのかわかりませんが、ルデビト軍に入ったからには精一杯頑張ります。」

 

みんな、きょとんとしている。

そらそうだ。魔法力0の奴が軍にいるなんて納得できないよな。

 

「魔法使えないなんて、ここにいる意味ねーだろ。」

 

クローカーが言った。

怒りはなかった。もし俺に莫大な魔法力があれば同じことを思っただろう。

 

「おい、魁斗はすげー奴だぞ。知らないのにひどいこと言うな。」

 

ミゲルが間にはいった。ほんと優しいやつだよ。

 

「これからどう存在意義を出していくかは、魁斗次第だ。クローカーもカイバもそれでいいか?」

 

アレクが諭した。

クローカーはちッと舌打ちし、ミゲルはすみませんとつぶやいた。

 

「それにしても、今年は粒ぞろいだ!」

 

アレクが手をパンっと叩きながら言った。

 

「アダンの魔法力は8000を超えているし、アルフレッドの攻撃力は10000もある。はは、カイバはHPも防御もすごいな。」

 

地下が揺れた。

おそらく中位魔獣だろう。地中から飛び出した7体の魔獣が、話しているアレクの背後から突然襲い掛かった。

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