とあるところに『白龍』というニックネームの天才廃人ゲーマーがいた。彼は様々な対戦ゲームやVRMMOで誰もが目を瞠るような成績を残し、トップ層に名を連ねていた。

　「VRMMOでは素早さ全振りの装備にもかかわらず、HPバーが半分以下になったところを誰も見たことがないらしい」「格ゲーでは攻撃を割り込ませる隙が全くないらしい」「FPSでは世界ランカーでも全く弾を当てられないらしい」そんな噂がネット中に広まり彼はいつしか『韋駄天』と呼ばれるようになっていた。

　一方、『白龍』当人であるゲーマーの白峰凪（しらみねなぎ）は、その人間離れした実力ゆえに昨今のゲームは簡単すぎて刺激が足りないと感じ始めていた。そんな彼のもとに一通のメールが届く。

　――鬼畜ダンジョンをあなたの手で攻略しませんか？

　なんの変哲もないゲーム広告にふと惹かれた彼は最高難易度を選択する。ライフ５、つまり５回攻撃を受けたら死ぬ状態でゲームをプレイしようとしていたのだ。

　そして広告につられた彼はゲームを始める――のではなく異世界へと転生してしまうのだった。

　この物語は白峰凪こと魔法銃師ゼッタが鬼畜な異世界を生き抜く異世界王道ファンタジー。

……だといいのだけれどね。