中途半端にリアリティを求めて警察に追われるくらいなら逆に現実から離れるべき、どうもシアンです。
では前と同じようにアサルトライフルの操作方法から確認しましょう。といっても同じ銃である以上ハンドガンと一緒です、弾倉を突っ込む、初弾を装填する、セイフティを外す、トリガーを引く。
一般的な軍用アサルトライフルの場合、トリガーの前にマガジンポートがあります、ここに弾倉を装着します。取り外したい時はマガジンリリースボタンを押すんですが、ハンドガンほど位置が固定されていないので機種ごとに調べる必要があります。まぁ大抵は二ヶ所、「右手でグリップを握った時にトリガーから離した人差し指がかかる位置」か、「左右どちらの手でも弾倉を掴んだ時に親指がかかる位置」です。前者はボタン(M4)、後者はレバー(AK)の形状をしています。
素早くかっこよく弾倉を交換する手順を紹介しますと。
M4の場合
ボタンを押しながら(可能なら片手で)ライフルを勢いよく傾け遠心力で空弾倉を吹っ飛ばす。
マガジンポーチから予備弾倉を取り出し突っ込む。
AKの場合
グリップを握っていない方の手でマガジンポーチから予備弾倉を取り出す。
弾倉の角をレバーの後ろ側に当て思い切りはじく。
空弾倉が吹っ飛んでいくので予備弾倉を突っ込む。
ボタン式は押すだけでも落っこちるため速度の観点では疑問がありますが、レバー式はこれをやると確実に隙が小さくなります。すべてのライフルでやれる訳じゃありませんけど、G36とか。
まぁいずれにせよ弾倉はちゃんと回収しましょう(威圧)
続いてコッキングレバーを引いて初弾を薬室に入れます。このレバーの位置がまた機種ごとに変わる、後ろに向かって引くのは変わりませんが機関部の左側だったり右側だったりキャリングハンドル(楽に持ち運ぶための取っ手)の内側だったり。とりあえず一番変わってるのがM4で機関部の後端上側、コッキングレバーではなくチャージングハンドルと呼びます、チャーハンです。
最後にセイフティを外すんですが、セミオートとフルオートを切り替え可能なアサルトライフルはセイフティ解除ツマミがこれらの切り替えも兼ねるので、通常セイフティとは呼ばすセレクターと呼びます。M4はグリップを右手で握った時に親指で弾ける位置で、セーフ→セミ→フル(フルオートはおまけと考えているため)。AKは機関部右側にでっかいレバーがありセーフ→フル→セミ(セミオートはおまけと考えているため)。またセミフル以外に2点バーストや3点バーストなんて「トリガー一回で数発出て止まる」機能を搭載した機種もありまして、自衛隊の89式が3点バーストを持っています。「セレクターの文字は安全、単発、連発の頭文字を取ってア、タ、レの願掛けだ!」とか当時自衛隊は言ってたんですが、素人目に見てもあのセレクターはア→レ→3→タです。なお最新の20式ではバーストの廃止と左右両側へのセレクター装備により悲願?のア→タ→レが実現しました。
はい、これで発射準備は完了、トリガーを引けば弾が出ます。前回拳銃の時は「正しい構え方なんか創作に必要な知識じゃねえ」つって飛ばしましたが、今回はちゃんと説明します。
拳銃と違ってアサルトライフルは正しく構えないと死ぬほど不格好だからです。
あ、一応「正しく構えないとこうなる」っていう描写を過去やってたから載せときますね(以下読み飛ばしても構わry
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「終末世界に少女とAIの見つけた生きるというすべてへの解答」66話より
まずグリップがあった、これは右手で握る、誰でもわかる。
当然、トリガーには右手人差し指がかかった。
グリップの前にあるのが弾倉だ、握りやすそうなのでここに左手。
そしたらグリップ後方に付いている部分が腋の下にちょうど入った、なるほどそういう事かと挟んで固定する。
その構え方では銃本体は右腰付近、銃口は目線の遥か下方にある。だいたいこのへんかとマンティコアへ向け、トリガーを引いた。
引いてしまった。
「きゃーーーーっ!!」
「「ギャーーーーーーッ!!!!」」
結果起きたのは弾を撒き散らすだけの乱射である、1発飛び出す度に銃口は跳ね上がり、鈴蘭の体を回す。マンティコアへ向かう弾は1発もなく、まったくあさっての方向へ飛んでいき、咄嗟に伏せたシオンらの頭上を抜けていったものさえある。
「作家のみなさーん!! "どこにでもいる普通の高校生"がいきなりライフルを武器にするとこうなりまーーす!!」
「正規軍や民間トレーニングセンターもしくは謎のスナイパーなどによる訓練を必ず受けさせましょうーー!!」
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はいじゃあ説明してきます。
トリガーにかける指は利き手側です、これは絶対です。玄人はここで「左右のリーンが云々」言いたくなると思いますが我慢してください、私も我慢します。なのでグリップは利き手で掴みます、もう片方の手は弾倉より前、ハンドガードという銃身を覆っているカバー(もしくは筒)を掴みましょう。両手の配置はそれで固定です。
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「まずキミがいま腋に挟んでるのは銃床(ストック)! 終端部が|肩当て《パッド》になる! こいつで反動を受け止める! 肩だぞ肩!」
「ここっ…こうですね!?」
「そうそうそうそれで伝説の名台詞"そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる"違う!! 当てるんだ! 乗せるんじゃない!」
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グリップより後ろについてるなんかでっかいの邪魔くさいなって思ったことあるかもしれませんがそれは非常に重要なパーツです。有効射程頑張って100m程度の拳銃弾と比べライフル弾は300mとか400mとか余裕で飛びますのでその反動はえらい事になりますし射距離が長いほど僅かな振動も許されなくなっていきます、照準をちゃんと合わせても弾が銃身内にいる間に銃身を動かしてしまえば弾はどっかいっちゃいますからね。ストックをしっかり肩につける、肩で反動を受け止め押さえつける、あと脇を締める。
正しい位置にパッドを当てた場合、頬のすぐ近くにストックの上側が来ます、そこが|頰当て《チークパッド》です、頬を押しつけるためにあります。日本全国数十人の萌えミリ漫画家の皆様、女の子のやらかいほっぺを表現するのはこのタイミングです。
しっかり頰をつけた時、片目と照門と照星が一直線に並ぶはずです。こいつらはアイアンサイトといってほとんどの銃に標準装備される照準器となります。だいたい照門は輪っか、照星は棒の形状をしていて輪っかの中央に棒の先端が来るよう目線を調整し、さらに標的を合わせて撃てば弾は標的に向かっていきます。
はいはいはいはいゼロインの話は今は必要ないから、静まれ、静まれ。
これで基本姿勢は完成です、次回は戦場での立ち回り方を説明します。
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