【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1749話 再会

公開日時: 2025年5月16日(金) 12:10
文字数:1,089

「か、仮面をつけているからですか……? 顔を見たら、思い出していただけますか?」


 彼女の声は、祈るように細く、かすかだった。

 俺はただ頷く。

 確証は持てない。

 だが、何かしらのことを思い出す可能性は大いにある。


 俺の頷きを見て、豪傑は仮面を外した。

 その素顔があらわになる。


「っ!?」


 その顔を見た瞬間、俺の脳裏に電流が走った。

 いや、電流なんて生易しいものじゃない。

 まるで、脳に焼きごてを当てられたかのような衝撃だった!


「み、ミティ……」


「タカシ様……。良かった! 思い出していただけたのですね!」


 豪傑……いや、ミティが嬉しそうに微笑む。

 いったい何日ぶりだろう?

 彼女の顔を見るのは。

 まるで故郷に戻って来たかのような安心感と多幸感に包まれる。


 だが、その喜びも束の間。

 ミティの記憶が呼び水になったのか、俺の脳内に膨大な情報が流れ込んできた。


「お、おおおぉ……!! あああああぁぁあああぁああっ!!!!」


 頭を両手で押さえ、俺はその場に崩れ落ちた。

 焼けつくような衝撃が、こめかみから脳髄全体へと突き抜けていく。

 まるで内側から氷の楔でも打ち込まれたかのように、視界がひび割れ、全ての感覚が遠ざかっていく。


 痛い。

 痛すぎる。

 これは……もう、痛みの範疇を超えている。

 頭が割れる?

 いや、それどころじゃない。

 脳が……爆ぜるっ!


「た、タカシ様!?」


 耳の奥にかすかに届いたミティの声は、氷の中から叫ぶようにくぐもっていた。

 焦りと恐怖の色を帯びたその声に、反応したかった。

 しかし――申し訳ないがそれどころじゃない。


 頭の内側で何かが膨張していく。

 次から次へと流れ込む情報。

 記憶か?

 いや、もっと根源的な、存在そのものを構成する何かが。

 圧倒的な密度と速度で、俺の中に注ぎ込まれてくる。


「てめぇっ! 兄貴に何をした!!」

「主から離れろ!!」

「高ちゃんっ! 今、助けるからね!!」


 怒号が響く。

 距離を置いて様子を窺っていたはずの流華、無月、幽蓮が、突如としてミティに向けて飛びかかろうとしていた。

 彼女たちの目には、ミティが俺に攻撃を仕掛けたように見えたのだろうか。


 流華たちが、迷いもなくミティに敵意を向ける。

 緊張が空気を裂いた。

 4人がバトルモードになり、周囲の空気がざわめき始める。


「ま、待て……! 争う必要なんて――がっ!?」


 俺は苦痛に顔を歪めながらも、なんとか立ち上がり、止めようと声を上げた。

 その瞬間だった。

 胸の中央、心臓の辺りに鋭い衝撃。

 黒いモヤが、無音の稲妻のように俺の胸を貫いた。


「「っ!?」」


 みんなが息を呑む。

 俺も含めて、誰も気付けなかった。

 いつの間にか……強大な気配を持つ『何か』が、俺たちのすぐ傍まで接近していたことに……!

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