うだつの上がらないエッセイ集(2)

思いつきで気楽に更新します。基本的に一話完結なので、お好きなページをご覧いただけると嬉しいです。
月澄狸
月澄狸

ツヤアオカメムシとオオカマキリの死骸

公開日時: 2021年10月12日(火) 19:57
文字数:511

 ある日、コンビニで拾ったツヤアオカメムシの死骸を手のひらに乗せて歩いていたら、車道で轢かれたオオカマキリの死骸を見つけました。


「オオカマキリってこんなに大きかったのか……!」

 それが第一印象でした。



 立派なオオカマキリです。卵を産もうとして、歩き回っていて車に轢かれたのでしょう。

 生きているときに出会いたかったです。


 なんだか切ないですね。

 産まれたばかりで食べられて死んでしまう幼虫がいることも。

 ここまで大きく立派に育ち、卵を産もうとしていたのに死んでしまう虫がいることも。


 結局のところ、世の中誰が悪いとかじゃなく、ただ切ない。そんな気がします。



 その夜、うちの天井にツヤアオカメムシが現れました。

 虫取り網を天井に向かって差し出すと、ツヤアオカメムシはトコトコ歩いて網に乗ってきました。

 網ごと庭に出しました。元気でした。


 ツヤアオカメムシの死骸を拾ったコンビニには後日、他のツヤアオカメムシの死骸もありました。

 この時期、カメムシは越冬場所を、カマキリは産卵場所を探しているんでしたっけ。


 そして私は幸せを探して彷徨っている。

 生き物はいつかみんな死ぬけれど、ただ少しでもみんな「生きられて幸せだった」と感じていて欲しい。そんな秋ですね。




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