ゴーストなら無双可能!(?)

王道から始まるゴースト生活
Nasann_n
Nasann_n

図書室の幽霊

公開日時: 2020年9月4日(金) 06:21
文字数:477

002


「えっと、どこだぁ?」


 裕夜は、あと1分という時間のなか、筆箱を探す。昼休みに、本を借りに来た裕夜は、ついでに課題をやってしまおうと、席に着いたのだ。


「だから多分、この辺に……」


「あら、探し物?」


 授業が始まるっていうのに、誰だろう……いや、今はそれどころじゃない!


「はい、そうなんです。筆箱を無くしてしまって……」


「筆箱って、これかしら?」


 そう、女の人がいうと、裕夜の目に前に筆箱が現れた。

 女の人が、見つけてくれたのか!

 ありがとうございます、そう言おうとして、顔を上げると……

 ゆゆ、幽霊……!?


「さっき、カウンターに持ってきてくれた人がいてね。君のだったんだ」


「あ、ありがとう、ございます……」


 何か言わなくては、とてもまずいのではと思い、とりあえず、お礼を口にする。


「あ、そうそう。君、異世界って知ってる?」


 ……!? これは、まさか……


「私が、連れていってあげるよ


 あの噂は、本当だったのか!!

 女の人は、ニタニタと笑う。その女の人は、裕夜と同じくらいの、女子中学生だった。きれいに整えられた、黒髪。凛とした瞳。


 あれが、幽霊? 嘘だろ……だってあれは……!

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